資材や人件費高騰で安定経営見込めず…日本財団の5億円助成を取り下げ、屋久島の福祉施設計画が中止 通所リハビリや障害者就労施設
鹿児島県屋久島町の医療法人観音会は1日、日本財団(東京)の公募型助成プログラムを活用し、同町の尾之間支所庁舎跡地に建設予定だった福祉施設「屋久島おじゃんせウェルネスセンター」について、資金難を理由に計画を中止すると明らかにした。「資材や人件費の高騰で安定した経営を見込めなくなった」としている。 ふるさと納税返礼品で産地偽装 他県産を「鹿児島黒豚、黒毛和牛」と偽る 7年間で計563件、納入業者「仕入れ価格高騰で代替品に」 志布志市が公表、謝罪
財団の「みらいの福祉施設建築プロジェクト」に2022年度選ばれ、5億円の助成が決まっていた。観音会は取り下げを求め、4月1日付で了承された。 医療福祉体制が脆弱(ぜいじゃく)な屋久島南部に拠点を整備する狙いで、支所庁舎跡地(約3300平方メートル)に、通所リハビリセンターや障害者就労施設などを集約する計画。26年4月の営業開始を見据え、今夏にも着工予定だった。 観音会の杉下智彦理事長は南日本新聞の取材に「完全に断念したわけではない。住民から強い要望があるので、仕切り直して計画を考えたい」と答えた。 支所庁舎跡地の利活用を巡っては、町が優先交渉事業者を公募し、唯一応募した観音会が選ばれていた。町は「現時点で事業者の変更は考えていない」としている。
南日本新聞 | 鹿児島
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