【独自証言】「お通しの“もやし”880円」「枝豆は洗剤の味」 鳥貴族の系列店を騙る悪質な客引きの被害者激白「とても接客業とは思えない」背景に準暴力団の影…専門家解説
東京・歌舞伎町で人気飲食チェーン「鳥貴族」を装い悪質な客引きを行っていた男女15人が逮捕されました。実際に被害にあった人の生々しい証言を入手。「とても接客業とは思えない」という、その内容とは?さらに、客引きの巧妙な手口とは?暴力団などの犯罪捜査を長年指揮していた元警視庁警視・櫻井裕一氏が解説します。
今回、偽計業務妨害の疑いで逮捕されたのは、高橋謙治容疑者(58)ら10代~50代の男女15人です。逮捕理由は、2023年に東京・新宿区歌舞伎町の路上で「鳥貴族」に入店しようとした男性らに対し「『鳥貴族』はいっぱいなので、系列店を紹介します」などとウソを言って、無関係の店に案内し「鳥貴族」の営業を妨害した疑いです。
勧誘の手口は、まず“客引き役”が「鳥貴族」目当ての一般客に接触します。そして、繋がっていない無線機で「鳥貴族」の店員と話しているフリをして「店は今いっぱいです」と客に伝えます。さらに「系列店を紹介しますよ。2杯以上飲むなら飲み放題がお得です」などと“系列店”を誘い文句に別の店に勧誘します。容疑者らが“系列店”と言っていたのは「とりきち酒場」や「とりみち」など「鳥」を連想させる店名ですが、鳥貴族とは無関係の店だったとのことです。
Q.警察は客引きの取り締まりもしていますよね? (元警視庁警視・櫻井裕一氏) 「やっています。私も新宿に勤務していたときに、“ぼったくり店”を摘発していましたが、“ぼったくり店”は短期間で店が変わってしまうんです。短いと週単位でドンドン変わって、また違うグループが入ってそこの店で営業するというような形態になっているので、なかなか実態把握をするのが困難なんです。そこが一番摘発の難しいところですが、取り締まりは行っています」
容疑者が“系列店”と言っていた「とりきち酒場」に、過去に案内された大学生によると、事前に説明もなく「席料」「週末料金」「深夜料」などを加算され、本来なら3人で1万円弱の計算が2万3000円以上を請求されたということです。また、別の「とりみち」に案内された男性によると、「接客業とは一切思えない感じ」だったそうです。店内は汚れ、トイレは使えず、一旦出ようとしたところ、「今帰るならお通し料だけは払ってほしい」と言われたとのこと。そのお通しも880円で「もやし」のみ。その上、2フード2ドリンクの注文を強制され、仕方なく注文したそうですが、メニューの写真と異なる商品を出され、枝豆はなんと洗剤の味がしたそうです。さらにその後「席料」や「サービス料」が上乗せされ、3人で約1万5000円を請求されたということです。警視庁によると、案内された店で「高額な請求をされた」などの相談が数十件寄せられているとのことです。 Q.“ぼったくり”と言うと何十万円も請求され、断ると怖い人が出てくるというというイメージですが、安い居酒屋を騙って反社会的勢力が資金源にしている背景はなんですか? (櫻井氏) 「昔は、バーやスナックという形態で客を引き入れて、思いっきり飲まして身包みまで剥ぐような“ぼったくり”があったんですが、今回は、チェーン店を騙るという新しい手口です。高額な請求をすると『すぐに訴えられる』ということがあるので、分からない程度に高くして請求しているのだと思います」
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