元ソフトバンク・攝津正氏「チャリティを含め、様々なことに挑むことが野球人としてのプラスになる」
~NPBの影響力を活かしてチャリティ活動を盛んにしたい
「野球は日本の国技と言える競技。そのトップであるNPBの影響力は大きいので、何かあった際にできることはたくさんあるはずです」 能登半島地震が起きると、大谷翔平(ドジャース)は球団、個人の両方で寄付を行った。サッカー界からも川崎フロンターレが「JリーグTEAM AS ONE義援金募金活動」を行うことが発表されるなど、世界中から支援の声が聞こえる。 「規模が大きいので難しい部分もあると思いますが、 NPBや球団が旗振り役をやってくれれば選手もやれることは増えていきます。ファンの方々も協力してくれるはずです。野球界一丸となって支援すれば色々なことができるはずです」 また震災のみでなく、ウクライナをはじめとする紛争地域への支援活動も同様だ。昨年12月にはJ1・アビスパ福岡がFCシャフタール・ドネツクを招いてウクライナ復興支援チャリティマッチを行ったことも一部で話題となった。 「困った方々に対して何かをしていかないといけない。『プロ野球は楽しんでくれる人がいるから成り立つもの』というのを忘れてはいけないと思います。だからこそNPBが中心となって組織的に協力してやっていければ良いと思います」 「プロ野球界はオフ期間も契約更改等があり、情報発信するチャンスが多々あります。選手の動向の話題も大事ですが、同じくらいチャリティ等に関しても取り上げてもらえるように情報発信していければと思います。メディアを含めた野球ファミリー全体でやりたいことです」
~野球をできることは当たり前ではない
「現役引退後に考える時間が増えて、チャリティへの思いがより強くなりました」 グラウンドを離れたことで他業種の人々とも会う機会が増えた。プロ野球選手の存在感や影響力の強さを改めて実感させられ、チャリティへの思いも以前以上に増した。 「和田毅さん(ソフトバンク)を中心にやっている、ひとり親家庭や児童養護施設、里親家庭の子供たち等への支援活動などは本当に大事だと思います」 昨年12月8日に横浜市内で開催された「DREAM BRIDGE DAY」(NPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション主催)に参加。野球を続けたい子供たちへ用具を提供するためのチャリティ・イベントでファンと交流を持った。 「自分が子供の頃に通った小学校の近くにも、家庭環境が整わない児童が通う施設がありました。そういった施設で野球に興味がある、やりたいという子たちを支援できれば良いなと思います」 「野球は用具代でお金がかかりますし月謝が高いチームも多い。野球をできることは決して当たり前のことではないのが現実なので、それに対して何かをしたい。また子供たちに好きなことをさせてあげられることで、親御さんへのケアにもなると思います」 大谷が全国の小学校にグラブ約6万個を寄贈したことが話題となった。知名度が高く影響力ある人たちが行動することで、問題意識も高まり協力の輪も広がりやすい。「今後も積極的にそういった取り組みをしていきたい」と語ってくれた。