6年ぶりの夢舞台 尾崎睦「勝って父にレクサスを」~静岡競輪ガールズグランプリ
尾崎睦(39)=神奈川・108期=が27日、ガールズグランプリ(29日、静岡競輪場)へ向けて会場入りした。 ひときわ目を引くイエローボディーの愛車から、尾崎がさっそうと現れた。限定10台、約1000万円の代物だ。「抽選で当たったんです。まさか当たるとはラッキーでした。黄色は金運アップ(諸説あり)にもいいし」と笑顔が絶えない。 6年ぶりの夢舞台。2年前には出場資格は満たしたものの、失格によるペナルティーで出場できなかった。だからこそ、グランプリに対する思いは誰にも負けない。「3つのG1で優勝はできなかったけど、決勝で走れたことが大きい。パールカップが終わったくらいから、グランプリに出るためには賞金だと意識を強く思った」 休む間もない中、体は悲鳴を上げ続けた。良いと聞けば関西地方まで出掛けて治療した。10月には京都・黄檗山萬福寺で5泊6日の「特別指導訓練」(累積違反点によるペナルティー)を受けた。「身も心も疲れていたし、私にはいい意味でリフレッシュできた。たくさんあった邪念を取り除くことができた」。ほとんどの選手が嫌がる“修業”も尾崎は、プラスに捉えた。 直前はホームバンクの平塚で調整。「最初のグランプリの時は男子選手からは『頑張って』程度だったのが、今回は男子が何でも手伝ってくれるんです。“接待もがき”と言っているんですが、皆、協力して応援してくれる。だからこそ勝ちたい」と語気を強めた。 優勝の副賞は高級車の「レクサス」。「父がレクサスの話ばかりするんですよ(笑い)。『優勝するとレクサスがもらえるんだよね』とか。多分、欲しいんですね。だから勝ったら父にプレゼントします」。今回、初めて両親が横断幕を作ってくれた。自分のため、支えてくれた仲間、ファン。そして両親へ、横断幕の前で夢をかなえる。 (永井 順一郎)
報知新聞社