攻守がかみ合う清水エスパルス 指揮官は「チームの成熟」と表現 直接対決で3位・長崎を突き放せるか
台風10号の影響で第29節の徳島戦が中止・順延となり、この間、横浜FCが勝利したことで暫定ながら2位へと順位を下げた清水エスパルス。次の第30節はホーム・IAIスタジアムで3位につける長崎を迎え撃つ。 【画像】清水エスパルス…いざラストスパートへ
守備と攻撃がかみ合うエスパルス
エスパルスが前半戦で今季唯一4失点を喫した相手、それが長崎だ。 現在、エスパルスとの勝ち点差は8で、勝てばその差を一気に広げることが出来る一方、負ければ差はグッと縮まる。 その意味で、今季まだ負けのないホームでの一戦は大きなアドバンテージだ。 エスパルスは直近7試合で6勝1敗。この間の得点は合計16で、1試合平均2.29。反対に失点はわずか3で、1試合平均0.48。また、7試合のうち5試合は無失点だった。 シーズンも終盤に差し掛かる中、安定的な成績を残せていることについて指揮官は「チームの成熟」と表現。チーム内では個人の特長を互いにつかみ、選手同士の連携・連動が進んでいる。ただでさえ個の能力が高い選手が、呼吸を合わせたプレーをすることにより攻撃力・守備力は何倍にもなる。 このいい流れを継続するために注目したいのは共にユース出身の北川航也と西澤健太だ。 主将の北川は6月の藤枝戦以来ゴールを挙げられていないが、ここまで9得点とランキング6位タイにつけ、あと1点で2桁に乗せることができる。 また、自身の得点機会は遠ざかっているもののエースとして強い責任感を持ち、多くのチャンスメイクに貢献している。「フォワードに要求されるのは得点」と口にする一方で「ゴールは水物」と割り切りも見せ、「自然体で臨みたい」と静かに闘志を燃やす。 一方、鎖骨骨折から回復したものの、まだ公式戦には出場できていない西澤は9月6日に28歳の誕生日を迎えた。 本人は「中堅」という言葉は好きではないというものの、2023年にプレーオフで敗れた経験を忘れずチームにフィードバックするという、若手選手を指導する役割を自ら勝って出ている。今季の目標からブレないために“大人の選手”として貢献している姿は頼もしさしかない。体の調子も戻り、レギュラー復活もあと少しだろう。 故障者の復活はチームにとって戦力アップという意味では好材料である反面、秋葉監督の悩みの種ともなる。誰を先発で起用し、誰を交代枠に選ぶのか。秋葉監督は「25人枠にして欲しい」と冗談めかして言うが、現実は1試合18人しか登録できない。 今季の絶対目標である「J1復帰」を成し遂げるために、秋葉監督は誰を選び、誰を起用するのか。そのタクトが注目されている。