「飲み会だと思って行くと、ニッポン放送のラジオブースだった」稲川淳二(76)怪談話は突然に
── そして怪談ツアーを続けて、今年で32年目です。 稲川さん:怪談は、なんといってもライブ感なんです。やってみてわかりました。テレビもウケるしおもしろい、ラジオや出版物ももちろんおもしろい。でも、どれもひとりで見たり聞いたりするもんじゃないですか。怪談ライブは、まわりに人がいて、独特の雰囲気ができ上がるんです。このおもしろさはたまらないですね。舞台に私が登場すると、ワーッとみんな手を振ってくれて、「じゅんじー」と声をかけて、「おかえりー!」って言ってくれるんです。だから私も席について「ただいまー!」から始めます。
PROFILE 稲川淳二さん いながわ・じゅんじ。怪談家。1947年、東京都渋谷区生まれ。桑沢デザイン研究所を経て、工業デザイナーとして活動。1996年通商産業省選定グッドデザイン賞「車どめ」を受賞。その一方で、タレントとして、ワイドショー・バラエティー・ドラマと多くのメディアに出演。また、怪談界のレジェンドとして、若者からお年寄りまで広いファン層を持つ。“稲川淳二の怪談ナイト”の全国ツアーは、32年目を迎える。
取材・文/岡本聡子 写真提供/ユニJオフィース、オフ・ショア―、ジェイ・ツー
岡本聡子