【高校バスケ】福岡大大濠・渡辺伶音、日本代表仕込みの守備で留学生封じ「絶対止めてやろうと」
<ウインターカップ2024全国高校バスケットボール選手権:福岡大大濠88-64日本航空>◇25日◇男子2回戦◇東京体育館 男子は日本代表の福岡大大濠・渡辺伶音(れおん=3年)が、ダブルダブルの活躍で初戦突破に貢献した。日本航空(山梨)の200センチ留学生を相手に1歩も譲らず、16得点10リバウンドをマークした。女子は3連覇を狙う京都精華学園、今年1月に能登半島地震の被害を受けた鵬学園(石川)など、8強が出そろった。 ◇ ◇ ◇ 渡辺の闘争心に火がついた。第1クオーター(Q)終盤、相手の留学生、オルワペルミ・ジェラマイア(3年)にシュートをブロックされる。その直後。オルワペルミの突進を、体を張って止めにいき、トラベリングを誘発。第2、3Qにはブロックショットそのものをやり返し、相手の勢いをそいだ。 「周りからもたきつけられていたし(オルワペルミを)絶対に止めてやろうと思っていました」。身長は206センチの渡辺が6センチ高いが、体の厚みは相手が上。昨夏の全国総体(インターハイ)優勝の原動力となった留学生に決定的な仕事を許さず、チームを完勝に導いた。 今年10月、トム・ホーバス監督率いる日本代表に招集された。高校生では1人だけ。サイズを生かしたプレーだけではなく、3点シュートも打てる技術を評価された。 「いろんな体験をして、成長できたと思う。特に吉井さんやジョシュからは、体のぶつけ方とか、守備の細かいところまで教えていただきました。代表から戻ってきたあとも、すべて吸収しようと取り組んでいます」 吉井裕鷹(三遠)やジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷)仕込みの守備が、早速、効果を発揮した。派手なプレーに目が行きがちだが、仲間の進路をつくるために壁になり、ルーズボールに飛び込む泥くさいプレーもいとわない。「3点シュートも打つべきところで打てたし、チームのために走れた。日本一まで一戦必勝です」。昨年は決勝で福岡第一に敗れた。今年こそ頂点への思いは誰よりも強い。【沢田啓太郎】 ◆渡辺伶音(わたなべ・れおん)2006年(平18)4月2日生まれ、千葉県出身。柏市立土中時代は千葉ジェッツのユースチームなどでプレーし、福岡大大濠に進学。アンダーカテゴリーの日本代表を歴任。今年1月にはB2福岡に特別指定選手としても加入し、B2最年少出場記録を更新。父はオーストラリア人、母は日本人。206センチ、98キロ。