「30センチ必要なのに厚さたったの3センチ」トンネルに空洞…コンクリ不足で施工不良 施工会社が謝罪 現場所長「自分はトンネル工事の専門家」和歌山・八郎山トンネル
補修工事は『コンクリートを全てはがす』など全面やり直し
去年12月に県の技術検討委員会・第三回会議では、鋼材約700本の大半で本来設置するべきところからずれているなどしたことが分かったということです。そのため検討委では、内壁だけではなく、ほぼ全面的にやり直す必要があると判断しました。 こうした結果を踏まえて、浅川組は去年12月12日からトンネル内部のコンクリートをはがすなど補修工事を開始したということです。補修工事は現在の所、本来の工期分である約2年間かかると見込まれていて、費用は20億円かかるということです。県は追加でかかる工費については浅川組に負担させるとしています。
これまでは社内の内部調査…第三者による調査は?「必要なら検討」
浅川組は社内のコンプライアンス委員会の調査の中で現場所長や従業員へのヒアリングから「風通しの良い組織風土」の醸成などをするよう提言されたということです。 今回の事象は、トンネル工事のベテランである現場所長が本社に相談することなく工期などを優先し強行したことが1つの要因となっていることから、具体的には従業員らも意見ができないような「お山の大将」を作らないようにすべきだと、社内のコンプライアンス委員会の提言書で指摘されています。 一方で、今回は社外取締役の弁護士らによる社内調査となっていますが、今後第三者による調査については「必要なら検討する」と会社側は会見で回答しました。
供用開始は2年遅れ…浅川組が過去関わったトンネル工事 県が全面調査へ
和歌山県によりますと、トンネルは去年12月に供用開始の予定でしたが、今回のトンネル工事のやり直しにより、供用開始が約2年遅れる見込みだということです。 県によりますと、浅川組は和歌山県内で2005年~2019年にかけて11のトンネル工事に単独もしくはJVの形で関わっていたということです。県では問題発覚後に各トンネルの工事報告書などを確認し、書面上は施工に問題がないということですが、今後現地にて検査を行うなどして、全トンネルについて施工不良がなかったかを全面的に調査を行う方針だということです。