金沢マラソン、復興へ駆ける オンライン大会開幕 1キロ10円義援金に
金沢マラソンのオンライン大会は13日開幕し、ランナーが思い思いの場所でスタートを切った。今年は走行距離を無制限とし、1キロ走るごとに10円が能登半島地震の被災地に義援金として寄付される仕組みで、参加者は復興の願いを込めて汗を流した。石川県内外の2673人がエントリーし、10月14日までの1カ月間で健脚を競う。 大会は13日午前0時に始まった。金沢市大桑町の犀川緑地大桑ぐるぐる広場では同6時ごろ、マラソン愛好者でつくる「チーム金港堂」と同市職員の計8人が集まり、1周400メートルのコースを軽快に駆けた。 チーム金港堂の宮谷隆之代表(62)=同市泉野町3丁目=は「大会期間中に200キロを目指して走り、少しでも復興の力になりたい」と語った。 10月27日の本大会に向けた調整を兼ねて出場するランナーも。パート従業員平吹千夏さん(49)=同市諸江町上丁=は午前0時過ぎに自宅を出発し、フルマラソン(42・195キロ)の距離を初日で走破。本大会では伴走カメラマンを務める予定で、「暑い時期に距離をのばせて良かった。本番で役割を果たせるよう調整を続けたい」と汗を拭った。 オンライン大会は、2020年にコロナ禍で中止となった本大会の代替事業として始まり、今年で5回目となった。ランナーがスマホアプリを用いて走行距離を計測し、コースや時間帯は自由に設定できる。昨年まではランナー自身が設定した目標を超えれば「完走」となり、以降は累計距離を計測できなかったが、今年は続けられる。 累計距離が42・195キロ、100キロを上回ると、抽選で来年の金沢マラソン優先出場権がそれぞれ70人と30人に与えられる。このほか、スマホの待ち受け画面に使える「バーチャルメダル」が全員に提供される。 金沢マラソンは北國新聞社などで構成する大会組織委が主催する。