2024年、新NISAスタート! NISA口座開設数の推移から見る留意点とは?
2024年から大幅に制度が変更された新しいNISA(少額投資非課税制度)を活用し、心機一転、投資を始めようという方もいるでしょう。 政府は2022年、家計の金融資産を増やすことを目的に、貯蓄から投資へのシフトを促進する「資産所得倍増プラン」を打ち出し、政策の一つとしてNISAの口座数を5年間で3400万、投資額を56兆円に倍増させる目標を掲げてきました。 そこで本記事では、これまでのNISAについて、口座の開設数や利用状況がどのように推移してきたか確認していきます。
これまでのNISA口座数の推移
日本証券業協会が発表している「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年9月30日現在)」では、証券会社におけるNISAの総口座数は図表1のように推移しています。 図表1 〇NISA総合口座数の推移
出典:日本証券業協会 「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年9月30日現在)について」 グラフの青色が一般NISA、緑色がつみたてNISAの口座数です。なお、2024年から始まった新NISAでは、一般NISAとつみたてNISAという口座区分ではなく、一つの口座内で成長投資枠とつみたて投資枠の利用が可能です。 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年9月30日現在)について」によると、2023年9月末時点で証券会社でのNISAの総口座数は1356万口座で、2022年末時点と比べて15%増加しています。 ただし、図表1は証券会社に限った口座数とその推移です。金融庁によるNISAの取扱全金融機関を対象とした調査結果では、2023年9月末時点での総合口座数は2034万7321口座(一般NISAは1128万4963口座、つみたてNISAは906万2349口座)となっており、2022年末時点の1800万7257口座からは約13%の増加です。 資産所得倍増プランでは、5年間でNISAの口座数を3400万件に増やそうとしていますが、目標を達成させるには2023年9月末時点から口座数を約1.7倍にする必要があることが分かります。