地震教訓、万一に備え 園児が小学校へ避難 富山・新庄保育所が訓練
富山市新庄保育所の災害時対応訓練は24日、同市新庄町で行われ、園児約120人と職員約30人が地震と火災を想定した避難を通して、万が一の行動を確かめた。能登半島地震を機に、保育施設と住民で緊急時の連携を深めようと、今回初めて自治振興会役員らが訓練を見学した。 訓練では呉羽山断層帯を震源とする震度6の地震が発生し、直後に保育所2階のガス給湯器室外機から出火した想定で実施した。園児は机の下に潜り、頭を守ってうずくまる「だんごむしのポーズ」をとって身を守った。2歳未満の園児は保育士が教室に常備してあるブルーシートを園児にかぶせて守った。 園児と保育士は園庭に移動して安全を確認したのち、約500メートル離れた新庄小に歩いて避難した。保育士がゼロ歳児を背負い、1歳児を大型ベビーカーに乗せて逃げた。踏切や幅員の狭い道路もあり、保育士が逐一安全を確認して列後方へ伝言した。 乳幼児が在籍する保育施設の避難実態を見てもらおうと、新庄校下自治振興会などの住民が訓練を視察した。新庄校下自主防災連合会隊長を務める菱田浩一自治振興会長は「それぞれの訓練の良さと課題を共有しあって、地域全体で防災意識を高めていきたい」と話した。市こども家庭部こども保育課の中川美智留課長は「訓練を見てもらうことで、いざというときに助け合う意識を新たにし、自分にできることを考えるきっかけにしてほしい」と話した。