「大阪産(もん)」買うてや ── 地元野菜を格安で販売
大阪府内で生産された農産物「大阪産(もん)」を格安で提供する「まるごとぜ~んぶ大阪産!」JAグループ大阪合同農業祭が12日、大阪市中央区大手前のNHK大阪放送局1階アトリウムで開かれ、詰めかけた府民らが、冬野菜などをたっぷり買い込んでいた。
ジャンボダイコンが1本150円
主催したのは、大阪府と農協系統の府内連合会組織などで構成する「大阪採れたて農産物消費推進協議会」。統一ブランド「大阪産」を掲げ、府内での地産地消の推進に取り組んでいる。 「大阪産」は府内で生産される農産物、畜産物、林産物、大阪湾で採取され府内の港に水揚げされる魚介類、府域の内水面で採取される魚介類と、それらを原材料にした加工食品を指す。今回は主に野菜や果実などの農産物が販売された。 青々とした葉っぱを含めると、長さ80センチに達するジャンボダイコンが、1本150円。コクのある味わいの大阪ミカンが、ふくろに詰め放題で200円。青ネギ、ミズナ、シュンギクなどが、どれでもふた束100円。新鮮な野菜が格安とあって、次々と売れていた。 大阪ミカンの主な産地は和泉市、岸和田市など。府内でのミカン栽培の歴史は鎌倉時代までさかのぼることができる。1913年、全国ミカン大会が大阪で開催されるほど有名な産地で、大正末期には和歌山県に次ぐ第2の栽培面積を誇っていた。
江戸時代のグルメが絶賛した吹田クワイも
なにわの伝統野菜のひとつ、吹田クワイも出品。吹田クワイは江戸中期にはすでに栽培されていた。食道楽の文人蜀山人が「思いでる ハモの骨切りすり流し すいたくわいに天王寺蕪」と狂歌で詠み、吹田クワイを大坂の代表的名物と表現していた。 一般的なクワイと比べると小粒だが、クワイの酢みそかけ、クワイコロッケ、クワイとホウレンソウのグラタンなど、さまざまな料理で楽しめる。 会場では、泉州タマネギを使った即席カップめんの無料配布も実施された。
「地産地消に賛成で実践しています」
JA大阪中央会は「府内で多くの農産物が作られていることを消費者に知ってもらうには、買い求めて味わっていただくのが、いちばん。農家が天候などに注意しながら生産した安全安心の大阪産を、ひとりでも多くの消費者にお届けしたい」と張り切っていた。 府環境農林水産部流通対策室も「農業、林業、水産、酪農の各分野で、すぐれた大阪産がたくさん作られている。消費者にどんどんアピールしたい」と意気込む。 大きなダイコンを購入した女性は「葉っぱもゆがいて刻み、チリメンジャコと炒めるとおいしい。ええ野菜はほかすところはない。全部食べられるで」と、始末の料理法を披露してくれた。市内城東区からやってきた女性は「赤ダイコンや辛子ミズナなど、珍しい野菜が手に入りました。地産地消に賛成で、私も実践しています」と話していた。 「大阪産(もん)」に関するくわしい情報は府の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)