神奈川大が筑波大を撃破しインカレ8強進出、163cmの小さな大黒柱・山本愛哉の覚悟「得点を取れるガードとして存在証明をしたい」
ここ一番で得点を挙げる勝負強さでエースの仕事を遂行
現在、大学日本一を決める『全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)』が開催中だ。12月5日に行われた男子2回戦では筑波大と神奈川大による関東1部リーグ対決が実現し、攻守ともにここ一番の遂行力で上回った神奈川大が81-69で勝利し、ベスト8へと駒を進めた。 試合の立ち上がり、主導権を握ったのは神奈川大だった。各選手が粘り強いマークを続けて筑波大にタフショットを打たせると、そこからディフェンスリバウンドを取り切ってのトランジションを展開。25得点を挙げた保坂晃毅を筆頭に、ゴール下へのアタックからイージーシュートを作り出すことで40-26とリードして前半を終える。 後半に入ると、筑波大も意地を見せる。守備の強度を強めてのターンオーバー奪取に加え、サイズの優位性を生かしたオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスなどの分厚いオフェンスで、第3クォーター終盤に47-47と追いつく。 だが、ここで神奈川大はエースガードの山本愛哉が勝負強さを見せる。山本は3ポイントシュートやドライブからシューティングファウル獲得などの連続得点で悪い流れを断ち切り、再び筑波大を58-49と突き放す。第4クォーターに入っても神奈川大は主導権を握り続け、逃げ切った。 保坂と共にチームをけん引した山本は、試合全体で見ると3ポイントシュート15本中4本成功を含むフィールドゴール20本中5本成功とシュートタッチに苦しんだ。それでも積極的なアタックでフリースローを10本獲得し、うち7本を成功させて21得点を記録。同点に追いつかれた場面での連続得点や、第3クォーター最後、絶好調だった保坂が足をつってコートを離れた第4クォーターに不調だった3ポイントを決め切るなど、チームが苦しい場面で得点を挙げる勝負強さを発揮し、エースの役割をしっかりと遂行した。 「ずっと自分たちが言い続けてきた相手の流れになっても我慢するところを(関東大学)リーグ戦で強化することができました。そして今日は、筑波の流れになった時でも全員が話し合って我慢できたことが勝因だったと思います」 このように勝因を語った山本に自身のオフェンスについて聞くと、周囲の信頼によって最後まで強気でアタックできたと続ける。「監督、チームメートから『ずっと打ち続けろ、最後の一本が入ればいいと言い続けてもらっていました』。後半に保坂が足をつって、そこで誰がやるかと言えば自分です。勝負の時に自分がやらないといけないと常に思っています」