JX金属と三菱商事が非鉄資源循環で合弁会社。リサイクル原料の集荷強化、7月に事業開始
JX金属は22日、三菱商事と廃家電・廃電子機器や廃車載用リチウムイオン電池(LiB)など非鉄金属の資源循環に関する合弁会社を設立すると発表した。同社および同社100%子会社のJX金属商事が行う銅・貴金属リサイクルと廃車載用LiBリサイクルに関する事業を分割し、三菱商事と新会社を設立する。三菱商事の有する産業横断型のグローバルなネットワーク・知見を活用し、リサイクル原料の集荷を強化するとともに、国内外リサイクラーとの協働によるリサイクルプロセス変革やデジタル化を推進。新会社は7月をめどに事業を開始する。 新会社の名称はJX金属サーキュラーソリューションズで、出資比率はJX金属80%、三菱商事20%。新会社にはJX金属が行うリサイクル原料集荷事業の一部と廃車載用LiBリサイクルに関する事業、JX金属商事が行うリサイクル原料集荷事業を移管する。 併せて、同社100%子会社で廃車載用LiBリサイクルに関する実証試験を行っているJX金属サーキュラーソリューションズが新会社の100%子会社となり、名称もJX金属サーキュラーソリューションズ敦賀に変更する。JX金属商事の100%子会社であるJX金属高商も新会社の100%子会社となる。 新会社営業開始後のJX金属商事は、同社グループの半導体材料・情報通信材料に関わる各部門との営業面・販売面での連携を強化して、機能の拡充を図る。 脱炭素化の進展に伴い、銅やレアメタルなど非鉄金属資源の需要拡大が見込まれる。同時に自動車業界や家電・電子機器業界を中心に、使用済み製品を回収・再資源化し同一素材として再利用するクローズドループ・リサイクルへの関心が高まっている。 一方で、その実現には製品ライフサイクルに関わるサプライチェーン全体が連携し、資源効率性を高める仕組みを整備することが求められている。 新会社ではリサイクル原料の集荷強化などでシナジー創出を図るとともに、自動車・総合電機メーカーなどのニーズに対応するソリューションを提供するグローバルな総合リサイクル事業を展開し、循環経済の実現に貢献していく考え。