「24時間以内に終戦」 豪語したトランプ…ウクライナ・ガザの転換実現するか
ウクライナ戦争に最も大きな影響…交渉突入もあり得る 中東紛争もモメンタム…ネタニヤフ首相、ひとまず休戦を受け入れる可能性も
5日(現地時間)に開かれた米大統領選挙で当選が確定したドナルド・トランプ前大統領の帰還により、米国の対外政策も再び大きな転換を迎えるものとみられる。特に、現在最大の国際懸案であるウクライナ戦争およびガザ戦争など中東紛争に及ぼす影響は非常に大きいものと予想される。 トランプ氏は今回の大統領選挙で、自分が当選すれば24時間以内にウクライナ戦争を終わらせると豪語してきた。戦争を終わらせる方法については具体的に言及しなかったが、トランプ側からはロシアとウクライナが対峙中の現在の戦線で戦闘を凍結した後、交渉することを基本とする案が流れた。これはロシアが占領したウクライナ領土を暫定的に認め、ウクライナの未来を話し合おうという案にほかならない。 トランプ氏は昨年7月、FOXニュースとの会見で「私は(ウォロディミル・)ゼレンスキー(ウクライナ大統領)に『これ以上(支援)はできない。交渉すべきだ』と言うつもりだ。ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)にも『交渉しなければ、我々はゼレンスキーにもっと多く(支援を)する。ウクライナに我々がしなければならないこと以上を支援する』と言う」とし、「一日で交渉を妥結させる」と断言した。ウクライナに対する支援をめぐりロシアとウクライナの両方に圧力をかけ、戦争を終結させるという意味だ。 トランプ側からウクライナ戦争の解決策として最も具体的に流れたのは、トランプ大統領の在職時に国家安保委員だったキース・ケロッグ元海兵中将とフレッド・フライツ氏が今年7月に作成し、トランプ氏に報告した終戦案だ。この終戦案はウクライナが平和交渉に入ることを条件に兵器を供与し、ロシアが交渉しなければウクライナに対する兵器供与を増やすことで、両方に圧力をかける内容だ。終戦案はまた、ウクライナが今後長期間NATO加盟国にならず、ウクライナはロシアに占領された領土を公式に移譲する必要はないが、当分は領土回復が不可能であることを前提にしている。 このため、トランプ氏の当選でウクライナ戦争は米国の対外政策の中で最も大きな影響を受ける事案とみられる。しかし、トランプ氏が断言する通り迅速な解決が可能かどうかは不透明だ。ウクライナも現在苦戦を強いられているが、ロシア領土のクルスク州を一部占領している。トランプ側の終戦案の中心内容である現在の戦線での凍結をロシアが受け入れるかどうかも疑問だ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6日、「X」への投稿で、トランプ氏への祝意を伝えた。ゼレンスキー氏は「『力を通じた平和』のアプローチに対するトランプ前大統領の献身に感謝する」とし、「これがウクライナの正義に基づく平和を実質的により近くにもたらす原則」だと述べた。それと共に「ウクライナに対する米国の超党的支持が続くことを望んでいる」と付け加えた。 ガザ戦争など中東紛争と関連し、トランプ氏は解決のカギを握るイスラエル側をかばってきた。このため、トランプ氏の当選は中東紛争で軍事的攻勢を取るイスラエルの立場と声をさらに強化し、紛争を悪化させる恐れがあると懸念されている。しかし、トランプ氏も当選が確定すれば、戦争に疲労感を感じる米国人と国際社会を意識せざるを得ない。 トランプ氏は7月、フロリダ州マールアラーゴの私邸を訪問したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に、自身が選挙に勝って政権に就く頃にはイスラエルがガザ戦争を終わらせることを望んでいると話した。「タイムズ・オブ・イスラエル」が先月30日付で報じた。 これまで民主党のジョー・バイデン政権の休戦圧力に抵抗してきたネタニヤフ氏も、自分に友好的なトランプ氏が政権を握った以上、休戦をいったん受け入れた後、占領地問題を有利に進めようとする可能性がある。ネタニヤフ首相は6日、Xに「史上最高の復帰にお祝い申し上げる」と書いた。 しかし、トランプ氏や支持層が米国の対外紛争介入に懐疑的であることから、トランプ政権下の米国が中東紛争でイスラエルを無条件に支持し、紛争の悪化まで行く経路を取ることは難しいとみられる。 チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )