文前大統領 「国際情勢の急変…対決主義の北朝鮮政策変えなければ韓国が排除される」
第20回ハンギョレ-釜山国際シンポジウム
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は「第2次トランプ政権で到来しうる対話局面で韓国が疎外されず堂々と役割を果たすには、政府がこれ以上遅れる前に対北朝鮮政策の基調を転換すべきだ」とし「先んじて真剣に対話を模索し、積極的に平和の道を模索しなければならない」と述べた。 文前大統領は13日午前、釜山市海雲台区(プサンシ・ヘウンデグ)のAPECヌリマルで開幕された「第20回ハンギョレ-釜山国際シンポジウム」の祝辞で、「第2次トランプ政権は北朝鮮の核とミサイル問題解決に向けて朝米対話の再開を推進すると思う」とし、「そのとき、今のような対決主義的な南北関係が続いていたら、北朝鮮は韓国政府を排除して米国と直接対話を試みるだろうし、米国もそれに呼応する可能性がある」と憂慮を示した。 北朝鮮問題をめぐり、韓国と米国の間でずれが生じかねないという点も懸念した。文前大統領は「朝米対話が再開された場合、北朝鮮は過去とは異なり核保有国の地位を要求し、ロシアと中国もその主張を擁護するだろう」とし「米国もまた、北朝鮮の核とミサイルがさらに高度化した現実を受け入れ、対話の目標を完全な非核化から現状凍結と厳格な統制、中長距離ミサイルの廃棄などに切り替える可能性がある」と述べた。さらに「第2次トランプ政権がロシア・ウクライナ戦争の早期終息のために努力するならば、韓国もそれに歩調を合わせる必要があるということを現政権に助言したい」と述べ、政府で議論されているウクライナへの兵器支援の動きに憂慮を示した。 ハンギョレ統一文化財団と釜山市が共同主催したこの行事は、「グローバル大転換と釜山の役割」をテーマに14日まで開かれる。カーネギー国際平和財団のスティーブン・ベルトハイム上級研究員は、オンラインでの基調演説で「歴史的文脈でトランプをみることが重要だ」とし、「米国は冷戦後まで軍事的優位を基盤に全体主義勢力の膨張を阻止する関与政策をおこなってきたが、トランプの当選は、米国が支配的であり優位を占めているのではないという現実を反映している」と述べた。ベルトハイム上級研究員との対談で、ハンギョレ統一文化財団のムン・ジョンイン理事長は「(韓国が)しっかりと考え、言うべきことは言って米国に接すれば道が見えるだろう」と述べた。 パク・ヒョンジュン釜山市長は歓迎のあいさつで「首都圏一極体制は亡国に導く構造的な病だ。釜山グローバルハブ都市特別法制定を通じて、大韓民国の構造的な病弊を克服するきっかけを釜山が作りたい」と語った。 釜山/クォン・ヒョクチョル記者、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)