うっかり「鼻毛がコンニチハ!」の悪夢と決別できる!「入り口から1cmだけ脱毛」のススメ
憎きチラ見え鼻毛。セルフ処理のメリットとデメリット
ーーそれでは、毛抜きやワックス、鼻毛カッターなどで処理する場合のメリット、デメリットについて教えてください。 「ワックス脱毛」は、鼻の穴に温めたワックスを入れて毛に絡ませ、一気に引き抜く方法です。 市販品もあり、気軽にできるのは良いのですが、引き抜くときの痛みが強いことと、数カ月でまた生えてくるので、定期的に「痛っ!」という思いをする必要がありますね。 ーー鼻毛カッターはどうですか? 「鼻毛カッター」も手軽ですし、電動式なのでハサミなどより短時間で処理できます。刃が直接あたらないので、鼻を傷つける心配も少ないのもメリットです。 しかし、鼻の中を清潔にしてから使わないとカッター自体が不衛生になるので、そこから肌トラブルを起こす可能性がありますので、気を付けてください。 ーーよくある毛抜きはどうなんでしょうか? 「毛抜き」も手軽に購入できるし、毛根から引き抜くため、ハサミなどより鼻の穴をキレイに保てる期間が長いですね。しかし、抜く時に痛みがあるのと、鼻の粘膜への負担が大きいので、毛嚢炎や埋没毛などのトラブルを起こすリスクもあります。
半永久的に鼻毛の悩みから解放される医療脱毛
ーー医療クリニックでの鼻毛脱毛とはどんなものなのでしょうか? 「自己処理」と「医療脱毛」の最大の違いは、「永久脱毛」ができるということですね。その方法には、大きく分けて「医療レーザー脱毛」と、「ニードル脱毛(針脱毛)」があります。 「医療レーザー脱毛」では、鼻の奥には粘膜などもあるため、鼻の穴から5~10mmほどのところをレーザー照射します。 鼻は外部の異物をシャットダウンする働きもある、と言いましたよね。鼻の穴付近だけの鼻毛脱毛なら、奥に残った鼻毛がウイルスなどの侵入を防ぐ守る役割をある程度キープできます。また医師が常駐しているので、万一肌トラブルが起こっても安心です。 「ニードル脱毛」は、毛穴に特殊な細い針を入れて電流を流し、毛根にダメージを与えて鼻毛が生えてこなくさせる方法です。半永久的に脱毛できるのがメリットですが、人によっては針をさすときに痛いと感じる、費用がかかる、というのも心配な点かもしれません。 ーー医療クリニックで鼻毛脱毛するメリットはどんなところですか? 鼻の穴の周囲1cmからは毛が生えてこなくなるので、面倒な鼻毛の手入れが一生必要なくなります。それに、ケアするときの痛みや不快感もなくなるのもうれしいポイントですよね。 また忙しくてケアを忘れていても、「うっかり鼻毛ピョコン」がなくなるので、周囲に清潔感を与えることができることは、働く男性としても大きなメリットでしょう。 ただし、毛には毛周期(毛が生えて抜けるまでの周期)がありますので、しばらくしたらまた生えます。完全脱毛は一度で完了するわけではなく、数週間か数カ月後にまた生えてくるたびにレーザー処理し、それを数回繰り返すことで鼻毛が生えなくなります。 この数回が手間だと思うかもしれませんが、その後は一生鼻毛の心配をしなくても大丈夫です。 ーーデメリットもあるのでしょうか? 人によってはレーザー照射の際に痛みを伴いますが、冷却スプレーも一緒に噴霧されるので、痛みは抑えられます。何よりも、皮膚の脱毛に比べると面積が少なく、数ショットで終わりますから、痛い思いをする時間はとても短いですよ。 また、鼻毛が減ったことで鼻水が出やすくなることも。ワックスや毛抜きなどで鼻の内部を傷つけていると、鼻のフィルター機能が低下し、花粉症やウイルスなどが入りやすくなるケースもあります。 そして鼻に入った大きな粒子は、鼻毛によって吸着されます。毛の密度が増加すると鼻の濾過効率が向上しますが、鼻毛の量が減少すると効率が低下します。 鼻毛の量は個人差があり、鼻の濾過効率に違いが生じる可能性があります。 鼻のフィルター機能が低下すると、気道のアレルゲンへの曝露が増加します。 トルコの研究者が発表した論文によると、季節性鼻炎の患者の喘息発症リスクに対する鼻毛密度の影響を調べたところ、鼻の濾過機能を提供する鼻毛の量が、季節性鼻炎の患者の喘息発症リスクに対して保護効果があることがわかったそうです。 つまり、スギやヒノキの季節性のアレルギー鼻炎がある喘息患者の場合は、鼻毛の処理は注意しましょう、という結論になります。 なお、気管支喘息の患者さんは、日本人の約5%、数百万人にも上り、増加傾向にあります。喘息というと小児のときに発症する病気と思われがちですが、半数以上は20歳頃と40歳代の中年以降に発病します。 鼻毛と喘息は一見すると関係ないように思えますが、実は関連しているのです。鼻毛を処理する前には、自分に喘息の症状がないか、セルフチェックした方が安心ですね。 ーー鼻毛脱毛に向いている人、向かない人はいますか? みなさん自分で処理しても、ほとんど重大なことになったという事例は聞かないので、やってはいけない、という人はそれほどいないでしょう。ただ肌がとても敏感だったり、花粉症が重篤、皮膚に疾患があるといった心配がある場合には、様子を見ながら、医師に相談してから行いましょう。 ◇ 鼻の入り口わずか1cm付近だけを脱毛することで、「鼻毛がコンニチハ!」の負のサイクルから逃れることができるとは。忙しくても清潔感を保ちたいオーシャンズ世代には朗報だろう。 アントレース、黒木博子(smile editors)=取材・文
OCEANS編集部