市の水道水から国の暫定目標値超える濃度の「PFAS」…水源特定したが原因は不明
健康への悪影響が懸念される化学物質「 PFAS(ピーファス)」について調べた環境省の全国調査で、兵庫県西脇市の水道水から2021年度に国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム)を超える濃度が検出されていたことが明らかになり、市が2日、市議会で経緯と対策を説明した。今年11月に高濃度だった水源を特定して取水を止め、現在の濃度は目標値を下回っているという。
11月29日に公表された調査結果では、西脇市内の4浄水場のうち、21年7月に上戸田浄水場で1リットルあたり100ナノ・グラムのPFASが検出されたことが示された。
市は、県営水道や他の浄水場からの水を加え、22年度に目標値内の28ナノ・グラムに濃度を下げたと説明。今年11月13日の検査で38ナノ・グラムと再び上昇傾向が見られ、上戸田浄水場の水源6か所のうち、PFASが高濃度の地下水1か所を特定し、同19日にこの水源の井戸からの取水を止めた。
上戸田浄水場からの水道水は市全体の23%を占める。高濃度だった原因は不明で、市民対象の健康調査は「現時点では考えていない」とした。
片山象三市長は「既に対策を取って改善したので大丈夫」と強調。「検査結果を公表しなかった」との指摘に対し、担当課の窓口で市民が求めれば閲覧可能だったとし、「 隠蔽(いんぺい)はしていない」とした。