【シンザン記念・先手必勝】穴党熱狂!厩舎も期待大の良血ラージギャラリーが〝波乱の使者〟に
[GⅢシンザン記念=2025年1月13日(月曜)中京競馬場、芝1600メートル(3歳)] 3日間競馬となる今節には、2つの3歳重賞が行われる。注目は13日(月・祝)のGⅢシンザン記念(芝1600メートル)。ジェンティルドンナ、アーモンドアイと2頭の牝馬3冠馬を輩出した伝統の重賞で、今年は中京を舞台に素質馬が飛躍を誓う。当欄推奨の“波乱の使者”はラージギャラリー。1戦ごとに描く上昇カーブと予想外の走りで多くの穴党を熱狂させる。 若駒は時として、驚くべき変貌を遂げることがある。そこには不確実性が伴うからこそ、進歩の足取りは決して見逃してはならない。 4戦1勝。未勝利を勝ち上がったばかりのラージギャラリーには実は、その“足跡”がきっちりと残っている。それをたどる上で、まずはスタート地点に戻る必要がある。昨年7月の新潟・新馬戦(芝外1800メートル)。発馬で左にヨレて大きな出遅れを喫した。その後も気持ちの乗らない走りで全く進んでいかず、流れ込むだけの9頭立て8着に終わった。 これは時間がかかりそう? が、次からレースぶりはガラッと変わる。中京・未勝利の芝2000メートル戦(3着)ではスッと2番手につけると、3戦目(京都芝外1800メートル)は伸びを欠き5着と着順こそ下げたが、かかるほどの行きっぷりを見せたのだ。「調教で動けていた初戦で走れず、3戦目ではかかったりと若さはありますね」と高橋亮調教師が言うようにつかみどころはないのだが、その道中の課題も次走でアッサリとクリアした。 マイペースで先手を取り、初のマイル戦でもピタリと折り合いがつくと、直線では雄大なフットワークで一完歩ずつリードを広げて3馬身差の完勝劇。「クリストフ(ルメール)が行く競馬をしてくれて、その形が合ったのでしょう」とトレーナーは変わり身のワケを説明する。デビュー前の調教からウッドでラスト1ハロン10秒台を叩き出した数字だけを見れば“切れ者”の印象を抱くが、その実はワンペースの“持久力型”。進歩の末にレースを覚え、型が決まりつつあるのなら、あとはそれを磨いていくだけだ。 「前走でしっかり走れた舞台ということで、今回も同じ中京のマイルへ。力試しの一戦ではありますがもちろん、期待は大きい馬です」。厩舎としても大成させたいワケがある。母スカーレットカラーは、2019年のGⅡ府中牝馬S勝ち馬でGⅠ4着(20年マイルCS)もあった厩舎のかつての看板娘。その初子が本馬であり、米3冠馬アメリカンファラオを父に持つ、ゆかりの良血馬でありながら、レースで見せるのはまさに意外性。そんなタイプだからこそ、期待を上回る「次」が待っているのではないか。一足飛びでの重賞制覇という大きな一歩が。
東スポ競馬編集部