ケニー・オメガ(左)への「怒り」も収まらぬゲイブ・キッド

　獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」の1月4、5日東京ドーム2連戦直前特別編。最終5回目の今回は、5日に開催される米AEWらとの合同興行「レッスルダイナスティ」を徹底解剖。ゲイブ・キッドとケニー・オメガによる注目のシングルマッチの展望は――。 【ライガーが語る獣神激論（特別編5）】1・5東京ドームで期待度の高いカードと言えば、ゲイブ・キッドとAEWのケニー・オメガのシングルマッチだと思いますね。この前、僕が解説してた時にゲイブが僕の前に来て「俺と試合するか？　俺はもうこれだけの力も持っていて、お前とは違うんだよ」って言ってたけど、確かにその通りなんです。今のゲイブは僕の知ってるゲイブじゃない。強いよ。 　ゲイブがあんなに伸びるとは思ってなかった。特にバレットクラブ・ウォー・ドッグスに入ってからは確変状態だよね。コメントもファンの支持を得ているし、悪いことしてるのに会場は「もっと行け！」みたいな感じなんだよ。それってゲイブの言ってることが正しいなって思える部分があるからだろうね。 　特に試合中のあの顔つき目つき、動作。あれってまさに（アントニオ）猪木さんが言われていた「怒り」なんじゃないかなと思うんだよ。いま一番「怒り」を表現しているレスラーがゲイブで、そこにみんなストロングスタイルを見ているんじゃないかな。だから応援しちゃうんだよね。 　対するケニーはこの試合が長期欠場からの復帰戦ということになるんだけど、彼の実力は疑いようがないし、新日本での戦い方も知ってるからね。この試合に外れはないと思うよ。 　やっぱりケニーにはDDTから来て新日本プロレスを習得していった厚み、知識があるんだよね。日本のスタイルを知っているというのが一番の強み。みんなそれをベースに海外でさらに大きな存在になっていくんだけど、ケニーの場合はさらにファンを引き付ける何かがある。あれだけ日本で支持されてて、今もものすごい人気だからね。 　だから今のゲイブとケニーがぶつかりあえば、夢のような試合になると思う。米国人がやる新日本プロレスのストロングスタイルという感じじゃないかな。ここでゲイブがケニーという大物を食ってしまえば、一気に天下取っちゃうよ。ヤバいよ、米国のアントニオ猪木になる大チャンスだよ。彼もそれを分かってると思うしね。1月5日、これは本当にいいカードだと思うよ。 　それからSTRONG女子王者のメルセデス・モネには白川未奈選手が挑戦します。白川選手も今AEWとかで大ブレークしているみたいだし、楽しみですね。女子の試合に関しては、4日のIWGP女子選手権（王者・岩谷麻優 vs 挑戦者・AZM）と両日あるんだけど、とにかくケガしないようにだけ頑張ってほしいなと思いますね。 　ほかにも久しぶりに新日本に上がってザック・セイバーJr.と戦うリコシェにも期待してます。僕も現役時代の時に彼と戦いましたけど、あの時はバリバリのハイフライヤーだったよね。キャリアを重ねて、レスラーとしてどれだけ進化しているのかは見てみたいですね。 　とにかく東京ドーム2連戦の全カードを見渡すと、本当に厚みのあるメンバーだし、2025年の新日本プロレスは面白くなる一方だと確信してます。選手の成長とともに試合の完成度も上がっていってるところに是非注目して見てください！