女親は男児にどのタイミングで「性」を教えた?「小2のとき、カブトムシの交尾をきっかけに。書籍が大活躍でした」
書籍を介在させるのはとってもおすすめ、「代名詞だのみにならない」単語を伝えられます
そんな中、夫が「ちょうどいい本が出たよ」と買って帰ってきてくれました。コロナで休校中の4月5月、ステイホームで家族で話す時間がたっぷりあったころです。ちょうど学校からのお便りにプライベートゾーンにまつわる書籍が載っていたこともあり、学校側がこう書くのであればもう教えていいのかな?と思って。 その書籍を本棚に置いたら、ちょうど本人も興味を持ち始めた直後でしたから、手にとって読んでくれました。何もない状態で親が突然「性ってね」とは言えないですよね、だから書籍はとてもよいきっかけになりました。 なにより書籍の利点は、「ナニが」とか「アレをすると」のような代名詞を使わずに済むこと。子どもが混乱しません。また、口で話すよりも図や絵があったほうがわかります。言葉だけではなかなか伝わりませんから、図解のある書籍がベストだと痛感しました。 そして、本を読んだコウキが何を親に質問したかというと……その本の中の、性交の方法でした。裸の男女が抱き合い、挿入がなされている図をいやらしさのない笑顔で描いた、考え得る限りベストな解説の絵です。それを見て、「ママ、こんなふうにするの?」と驚いて聞きにきたのです。 今回は私も準備ができていましたから、さらっと「そうだよ」と答えました。とはいえ、いきなり体位について聞かれるとは思ってなかったので、やはりどれだけ心構えをしても足りることはないのだなと思いました(笑)。 きっと1年2年たてば羞恥心が出て親に聞けなくなってしまうから、小学校低学年でこのきっかけをつかめてよかったなと思います。とはいえ、この時点のコウキは性が快楽につながることを実感として知りませんから、なぜ高校生くらいからみんなが性行為へ走るのか、説明しても理解は難しいようでした。表面なことしか言えませんでしたが、それでも、こうしたら子どもができるんだよ、それにはいろいろなリスクがあるんだよ、子どもができることは幸せではあるけれど、実際には幸せなことばかりではないんだよということを伝えました。 ここまでの前編記事ではいわば前哨戦の、心構えを伺いました。つづく【後編】では具体的な実践を伺います。どのタイミングで、どの言葉で話をしたか?そして、2年後にわかった「理解度」とは?
オトナサローネ編集部 井一美穂