台風21号が台湾直撃 南東部沿岸に激しい風雨
台北(CNN) 非常に強い台風21号は31日午後、台湾に上陸し、南東部の沿岸に激しい風雨をもたらしている。 【画像】台風の強風で破壊された建物の屋根 米軍の合同台風警報センター(JTWC)によると、台風21号は風速約55メートルの猛烈な勢いで上陸した。 30日の時点で暴風域の半径は320キロと、台湾を襲った台風としては1996年の台風9号以降で最大の規模。 上陸に先立ち、地元当局は事業所や学校の一時閉鎖を指示した。台湾証券取引所は休場している。 台湾軍の兵士3万4000人以上が救助活動に向けて待機し、危険地域では30日に8600人あまりの住民が避難した。 国際線の300便を含む500便以上が欠航し、離島へのフェリーはすべて運休。高速鉄道は運行を制限し、台北市内の地下鉄は地上区間の運行を中止すると発表した。 中央通信社やSNSの画像には、南東部の台東県で海岸に打ち寄せる大波や、隣接する花蓮県で起きた洪水の様子が写っている。各地で道路標識や信号機が倒れる被害も出ている模様だ。 台風21号は発達しながらフィリピン沖を通過し、台湾に接近した。上陸前にわずかに勢力を弱めたものの雨は激しく、鉄砲水や高潮が発生したり、土砂崩れの危険性が高まったりしている。 台湾の気象当局は31日、東部沿岸の宜蘭、花蓮、台東の各県と台中市に最大限の大雨警報を出した。東部の一部では今後さらに500ミリの雨が降る恐れがある。 台湾では今月初め、南部に激しい雨をもたらした台風18号で4人が死亡した。 台風21号は今後、台湾海峡に抜けた後、東シナ海へ進んで日本に接近すると予想されている。