女性アイドルが相次ぎアナログ盤 背景に「アイテム化」
インターネットを通じた音楽配信が全盛の中、アナログレコードが見直されています。日本レコード協会の調査によると2014年の国内のアナログ盤の売り上げは前年比49%増となり、ここ10年でどん底だった2009年の約4倍と盛り返しを見せ、昨年8月には東京・渋谷に専門店もオープンしました。特に女性アイドル業界ではアナログ限定盤などをリリースするグループが目立っており、「配信とは違うアナログ盤の存在感、付加価値感がファン心を刺激している」「音源自身をアイテム化する動きになっている」という声も出ており、アイドル業界では新たなファンサービスとして今後も広がりそうです。 【写真】アナログレコードの音に触れて 150店で同時イベント
アナログ盤が売り上げ盛り返す
そもそも欧米では2007年ごろからアナログ盤を見直す動きが目立ちはじめ、レコード店に行ってレコードを買おうという取り組み「RECORD STORE DAY」が2008年にスタート。米国では2014年の売り上げ枚数は前年比52%増の約920万枚と7年連続増加を記録し、再び独自の地位を築きつつあります。日本でもサザンオールスターズやきゃりーぱみゅぱみゅなどのアーティストが、実験的にアナログ盤などの発売に取り組み始めています。また、3年前からは「RECORD STORE DAY JAPAN」もスタートし、今年も4月18日に行われました。 東京・渋谷では昨年8月、アナログレコード・CDの中古専門店「HMV record shop 渋谷」がオープン。常時約8万枚のアナログ盤を取り揃えているといいます。同店では、「購買層は30歳代以上の人が中心だが、渋谷という場所柄、若い人がターンテーブル(アナログプレーヤー)を操作して聴いていく人も多い」と幅広い層に支持が広がっていると指摘。人気の背景については「アナログ盤独自の音のやわらかさが好まれるのもあるが、あえてLP盤のような物として大きい存在感が付加価値感を生み、物欲を刺激するのではないか」と話しています。 またターンテーブルも1万円弱で購入できるものが登場しており、若者でも買いやすくなったことも一因にあるとみられます。