理不尽な上司とどう付き合う?ストレスをためない対処法
どんな職場にもいる困った上司。相手によって態度を変える、部下に責任転嫁する、気分で八つ当たりする──そんな理不尽な叱責や態度に振り回されては、ストレスをためるばかり。理不尽な上司の特徴と上手な付き合い方を、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに聞きました。
理不尽な上司にありがちな特徴は?
理不尽とは、物事の道理が通らないこと。矛盾・むちゃくちゃである様子のことです。道理が通らない上司の一方的な言い分に、自分が悪いと落ち込んだり振り回されたりしていたら、精神的に疲れが増すばかり。まずは、あなたの身の回りにいる理不尽上司がどのタイプにあてはまるのか見てみましょう。 ◆自分の評価を上げたいジコチュウ上司 仕事のミスを部下のせいにしたり、部下の手柄を自分の成果のように報告したりして社内評価を上げようとする自己中心的なタイプです。 部下の成功に対して、本来なら部下が評価されるように上に伝え、部下にも評価を伝えてモチベーションを上げていくのが上司の役割。しかし、部下を育成しようという意識がなく、「自分がうまく立ち回りたい」という個人プレイヤーの発想のままです。 ◆態度が違うキブンヤ上司 気まぐれで怒る。その日の機嫌で指示が変わる気分屋タイプ。社外の人や社内の上席の人には平身低頭しながら、部下には厳しいなど、相手によって言うことや態度がまるで違うタイプの人もいます。 誰でも相性や好き嫌いは少なからずあるものですが、それをそのまま出してしまう。お気に入りの部下のミスは「まあ、気をつけよう」で済ませても、気に入らない部下はネチネチと言い続けるなど、好き嫌いで褒める・叱ると態度を変えるため、仕事そのものへの的確な判断ができません。 ◆度量や視野がセマセマ上司 自分のやり方や考えだけが正しいという思い込みで、周囲からのアドバイスを受け付けないタイプ。変化に対応する柔軟性がないため、組織やプロジェクトの改善などを部下から提案されても、提案=自分への批判と受け取って感情的になってしまいます。人を受け入れる心が狭いために理不尽に振る舞ってしまう上司です。 ◆曖昧な指示でダメ出しするナンクセ上司 自らは指示や方針を示さないのに、とりあえず進めさせて結果を見てダメ出しをする、人がやったことのあらを探して文句を言う難癖が得意なタイプです。 仕事の全体像やゴールを本人が理解していないために、指示をどう出せばよいか、何が重要かもわからず、「ちょっと違うんだよな」「これイメージに合わない、やり直して」などの場当たり的なアドバイスや一貫性のない指示になることもあるようです。 ◆正論フリカザシ上司 どんな状況でも正論を振りかざして理屈で詰めてくるタイプ。自分の過去の成功例や従来のやり方にこだわりが強いため、人や環境、時代の違いで取るべき施策を変える必要性があることを理解できていないのかもしれません。ロジック通りにいかないと部下の能力やスキル、やる気の不足だと決めつけてくる人もいるでしょう。 このほかにも、「会社の方針だから」「上がこう言っているから」など、自分は納得していないことを部下に言い訳するばかりで、組織に与えられたミッションを現場の状況に合わせた指示に落とし込めない上司や、どんな仕事でも受けてきて部下に振るだけのムチャブリ上司などもいるようです。