世界の高級品売上高2%減予想、値上がりや景気不透明感で=調査
Elisa Anzolin [ミラノ 13日 ロイター] - 世界的なコンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーが13日発表した調査リポートによると、現在の為替レートが続いたと仮定した場合、今年の世界の高級品売上高は前年比2%減少し記録的な落ち込みとなる見通しだ。値上がりや景気の先行き不透明感から、顧客離れが起きたのが要因。 高級品市場は3630億ユーロ(3860億ドル)の規模がある。中国はかつて裕福層や成長する中間層が高額消費の牽引役だったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後は全体の足を引っ張っている。中国での売上高は今年20─22%減少する見通しだ。 ベインのパートナーであるフェデリカ・レバト氏はロイターに「パンデミック(の時期)を除けば、個人向けである高級品業界の低迷は世界金融危機だった2008─09年以来だ」と述べた。 各社がブランド価格帯を従来よりも引き上げたことや、戦争、中国の景気低迷、世界各地での選挙による消費者信頼感の低下が重なり、若者を中心に多くの顧客が消費を手控えている。 レバト氏は「過去2年間で、高級品の消費者数は約4億人から5000万人減少した」と指定した。 ただ、米国ではこの先、トランプ前大統領の返り咲きにより、金利の引き下げや減税で支出増を支える可能性があると述べた。