大みそかにテレ東「年忘れ-」出演の五木ひろし、デビュー60周年前に阪神淡路大震災当時の〝原点〟語る
歌手、五木ひろし(76)が大みそかのテレ東系6時間歌謡特番「第57回年忘れにっぽんの歌」(後4・0~後10・0)の出演を前に、サンケイスポーツの取材に今年を振り返り、来年の歌手デビュー60周年に向けた思いを語った。 今年9月には藤山一郎さんや美空ひばりさんら名歌手のヒット曲をステージで披露。先輩歌手へのリスペクトと名曲の継承、そしてチャレンジを忘れない真骨頂を発揮した。坂本冬美(57)を特別ゲストに迎えた10、11月の大阪・新歌舞伎座特別公演の芝居では、約20年前のチャンバラ時代劇「花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛」を再演。「ほぼ出ずっぱりで立ち回りも以前と変わらずにできた。大きな自信になりました」とかみしめた。 身長171センチ、体重61・5キロ。スリムな体形は「40年ぐらい前と変わらないですよ」と事もなげに語る。その理由について「仕事のペースを変えないからじゃないかな」とサラリ。「うちにいるときは朝昼晩、犬の散歩も欠かさないしね」と愛犬の存在も体力維持とリフレッシュにつながっているようで、情感あふれる高音ボイスもデビュー当時のままだ。 1965年6月、「松山まさる」の芸名でデビューして来年は60周年の節目。1995年に起きた阪神淡路大震災から30年目を迎える1月17日には、神戸市で行われる兵庫県主催の追悼式典と駒ヶ林中学校の体育館で行われる慰霊コンサートに参加する。その後は1月20日の神奈川県民ホールを皮切りに坂本冬美とのジョイントツアーをはじめ、フル回転の日々が待ち受ける。7月の東京・明治座公演でも再び冬美を迎え「-喧嘩安兵衛」を再演する予定だ。 「震災が起きた日は初めて大阪・新歌舞伎座で公演中でした。ちょうど休演日で宿泊したホテルで昼頃、テレビを見たら目をおおうような光景が…。公演自体は最後まで続けることができましたが、4カ月後に神戸・長田区で慰問コンサートを開きました」と振り返った。大火に見舞われた大正筋商店街の特設ステージで開いた伝説の野外ライブだ。 「現地は当時、がれきの山。皆さん来られないのではと思ったら、なんと1万人近い人が来てくれて…。1人1人の顔を見ていたら、思わず涙が止まらなくなりまして…。『泣かないで!』『頑張って!』という声に逆に励まされた。ああ、歌っていてよかったなあとつくづく思いました」と振り返った。
それもファンを大事にする五木の原点。「1年を締めくくる大事な番組です」と位置づける「年忘れ-」では、「VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~」と「夜明けのブルース」を熱唱。視聴者を魅了する。