旧国鉄型列車の運転士を体験 北陸急行保存会、実物部品で運転台を再現 小松で披露、家族連れ満喫
●景色も動き、リアルさ満載 県内の鉄道愛好者でつくる北陸急行保存会は22日までに、旧国鉄型列車の運転台を再現した運転シミュレーターを手作りした。速度計やハンドルなど実際の部品を使って完成させたシミュレーターで、前進させる操作をすると、テレビ画面にCGで描かれた運転台からの景色も動く仕組み。運転体験の機会を無料で提供し、鉄道の歴史を語り継ぐきっかけにしていこうと、小松市でのイベントで初めて披露した。 運転シミュレーターを作ったのは、保存会メンバーの会社員河崎貴也さん(22)=津幡町北中条=と会社員芦崎天音(てのん)さん(23)=金沢市太陽が丘3丁目=。かつて 北陸で「地域の足」として活躍した旧国鉄型車両「413系」を、原寸大模型で再現する一環として取り組んた。 部品は2021年からインターネットや県内外の部品販売会、中古部品店などで買い集めた。速度計や電圧計が付いた「メーターパネル」や車を前進させるハンドル、ブレーキのハンドルなど5点を入手。各部品を自作の台に組み込み、テレビ画面やパソコンをつないで、運転シミュレーターを仕上げた。総額約30万円という。 21、22日に小松市土居原町会館などで開かれた「北陸電車特急60周年 がんばろう!交流まつり」(北國新聞社後援)で公開し、家族連れらが運転体験を満喫した。 保存会は11月2日に津幡町文化会館シグナスでも無料体験を行い、体験の機会を広げていく。河崎さんは「運転台に、車体前部を加えた実物大模型に発展させていきたい」と意気込んだ。