監督が解説、“おもてなし”から“恐怖”への転換点『スピーク・ノー・イーブル』特別映像
ブラムハウス・プロダクションズの最新作『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』より特別映像が解禁された。 二つの家族の交流を通じて、異なる価値観が生む摩擦と恐怖を描く本作。監督は『バイオレンス・レイク』や『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』で知られるジェームズ・ワトキンスが手掛け、ジェームズ・マカヴォイが最恐の“おもてなし”をするパトリックを演じている。 この度、二つの家族の緊迫のシーンを捉えた特別映像が到着。ジェームズ・ワトキンス監督が物語の中で雰囲気が劇的に変わる瞬間を解説している。 ジェームズ・ワトキンス監督が紹介するのは、両家が自然豊かな庭でランチタイムをとっているシーン。初めは和やかな雰囲気でランチを楽しんでいたが、突然パトリックの妻キアラがルイーズの娘アグネスの食事マナーに細かく注意をし始める。この行動に対し、ルイーズは他人のキアラが自分の娘に注意したことに不満を露わにするが、パトリック一家は“しつけ”だと主張。 この場面では、家族によって異なる価値観を持つベン一家とパトリック一家の対比を描いている。ジェームズ・ワトキンス監督が「複雑な社会の交流を描いたホラー映画だ。その(家族同士の)交流が観客の不安をあおる」と解説するように、異なる生活習慣や価値観の違いが両家に摩擦を生み出し、その対立が観る者の心に潜む不安を巧妙に掻き立てていく。 そして、ベンの提案で緊張を和らげようと始まった子どもたちのダンスが、物語のさらなる転機となる。普段は穏やかなパトリックだが、酒に酔った彼は隠されていた本性が剥き出しとなる。ダンスがぎこちない息子のアントに対して突然怒り出し、しつけを超え虐待にも見える態度を取り始めるのだ。 その様子を黙って見守るベン一家について、「ルイーズは違和感を抱きはじめる。“何かがおかしい”と。だが気づかないフリをする」とジェームズ・ワトキンス監督は説明。ルイーズは違和感を覚えながらも、彼らのしつけについて意見することが礼儀に反するのではとためらい、声を上げることを躊躇しているのだ。 この場面では、人間社会で暗黙のうちに求められる「礼儀正しさ」や「共感力」、そして「本能を押し殺すほどの理解」といった要素が巧みに表現されている。これによって物語はさらにリアリティを増し、観客を引き込むスリラー作品へと昇華している。 “おもてなし”を楽しむ日常的な場面が徐々に不穏な雰囲気に変わっていく過程を克明に描写している本映像。だがさらに終盤では、パトリック一家に隠された衝撃的な真実が明らかになることで、恐怖の質が激変し、怒涛のシーンが展開されることになる。 『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』は12月13日(金)より全国にて公開。
シネマカフェ シネマカフェ編集部