ブライトリングに似てる? 駆動時間、防水性、視認性をが大幅アップしたクロノグラフの名品「ジン“903”」の新しい魅力とは?
●数奇な運命のもとで生まれたブランドきってのロングセラーモデル
1961年の創業以来数多の実力派ウォッチを世に送り出しているジンですが、そんな中でもブランドきってのロングセラーとして知られているのがナビゲーション・クロノグラフの名品“903”シリーズ。 【画像】「えっ」これが新登場のナビタイマー、ジン「903」の魅力です(19枚) 実はこの“903”、時計ファンの間ではブライトリング“ナビタイマー”との酷似性でも広く知られています。 見れば見るほどよく似ているふたつのモデル、その理由を知るには歴史を50年ほど遡らなくてはなりません。
時は折からの“クォーツ・ショック”によって時計メーカー各社が大打撃を受けていた1970年代、当時から航空時計の名門として名を馳せていたブライトリングもその影響を免れることはできませんでした。 あわや倒産という窮地に立たされた同社は事業を実業家アーネスト・シュナイダーへと売却、その際“ナビタイマー”のデザインとパーツの供給ラインを継承したのが、他ならぬジンの創業者ヘルムート・ジン。 ジンはこれらパーツを使った“903”で大成功を収め、その後復活したブライトリングからも新たな“ナビタイマー”が登場。ふたつのナビゲーション・クロノグラフはまるで別の人生を歩む双子のように、それぞれに新たな道を見出しているというわけです。 さて2024年は、そんなユニークなオリジンを持つ“903”が大幅リニューアル。 伝統的なルックスはそのままに、性能・機能面に大きな進化を果たした新たなクロノグラフ「903.St.II」(予価:82万5000円・75万9000円、消費税込)へと生まれ変わっています。
●伝統的なルックスはそのままにムーブメント性能と防水性、視認性を大幅アップ
まずケースサイズは、これまでレギュラーモデルとして展開してきた「903.ST.AUTO」と同じ41mm径・14.5mm厚。 時間・距離・燃料消費量の計算に使用できる対数目盛りを備えた計算尺インナーベゼル、調和のとれたトリコンパックス・カウンターなども伝統的な意匠を踏襲するものですが、ムーブメントにはコラムホイールを搭載したクロノグラフ・ムーブメント“ラ・ジュー・ペレ LJP L110”を採用。 パワーリザーブは従来モデルの42時間から60時間へと大幅にグレードアップ。またインナーベゼルは時計の外径から無段階で操作できる仕様とする一方、防水性は従来モデルの10気圧から20気圧まで引き上げられています。