松下洸平、「光る君へ」周明はまひろを愛していたのか?大河初出演で挑んだオリジナルキャラは「異質さ」がキーに
第46回のラスト、異国の勢力が襲来し、周明はまひろをかばって射貫かれ、命を落とした。前の場面では、松浦に発とうとするまひろに「松浦に行って思いを果たしたら必ず大宰府に戻ってきてくれ。その時に話したいことがある」と告げていたが、彼にまひろへの恋心はまだあったのか。そして「話したい」こととは何だったのか?
「恋心はあると思います。久しぶりに再会して、年を重ねて位も変わり、激動の人生だったとは思うけれど、当時の周明が知っているまひろのままで。政庁で飲んだことのない宋の茶に興味津々の様子を見て“あぁ、この顔懐かしいな”と思いましたし、二十数年前、自分の気持ちに気づけなかったぶん、再会してあらためてとても素敵な人だなと。独り身だということも知って、もちろん道長のこともあるし、いろいろなことがあるけれど、最後は自分の想いを伝えて死にたかったでしょうね。まひろが戻ってきたら一緒になろうなのか、一緒にいたいなのか、そこまで具体的な話をしたかったわけではない気がしていて。ただ、彼女を大切に思っているということ、あの日裏切ってしまったことや傷つけてしまったことの懺悔と共に、離れたことで気づいたまひろのことが好きだという想いを、ちゃんと言いたかったんだと思います」
あらためて、周明というオリジナルキャラクターが本作で担った役割を問うと、「異質な存在」であることが重要だったという。
「頂いた台本を演じるので本当に精一杯ではありましたが、最終的には窮地に立たされたまひろを救う存在であれたらとは思います。彼自身も救われたから。不思議な関係ですよね、まひろと周明って。会った回数で言えば数えられるほどではあるんですけど、大切なタイミングで救われたり救ったりしていた仲で。周明ってある種、異質な存在だと思うんです。刀伊の入寇という実際に起きた事件を反映した台本にはなっているけど、周明は当時いなかった人で、どこか浮世離れした部分もあって。そこが周明の面白さであってほしいとも思います。史実に関心を持たれる方も多くいらっしゃると思うんですけど、そこにふっと現れる本当にいたのかいなかったのかわからないような、もしかしたら幻だったんじゃないかぐらい、ある種ファンタジックな存在としていることで、作品全体の1個のカラーとして誰にも似ない新しい色として、この作品が色づいていく中の一つになればいいなと思いました」