習慣化がうまくいく「成長している感覚」とは? 目標に対するモチベーション維持に必須
■「確実に前に進んでいる!」と唱えるアファメーション 習慣化のプロセスで避けて通れないのが「アファメーション」です。アファメーションは、自分が達成しようとしていること、これからやろうとしていることを自分に言い聞かせるように積極的に繰り返し、自己効力感を高める手法です。 自分に対する肯定的な信念を強化し、望ましい状態や目標への達成感を高める効果があります。企業の研修やプロスポーツの現場でも採用されている方法です。
とはいえ、自分の達成しようとしていることをひたすら繰り返して言い聞かせればいいわけではありません。いくつかポイントがあります。まずは肯定的な表現で繰り返すことが重要です。 たとえば、「私は自分に自信を持っています」や「私は健康で幸せです」といったポジティブな文句がアファメーションの一例です。 そして、現在形で自分自身に言い聞かせることを忘れないでください。これは、将来の望ましい状態を現在の状態として捉え、実現性を高める役割があります。
たとえば、あなたが痩せたい目標を掲げていたとします。その場合、「痩せたい」「痩せるでしょう」ではなく「痩せています」とすでに実現しているかのような言葉がけをすると効果的です。 アファメーションは脳を変える効果があります。一度だけでなく、継続的に積極的な言葉を繰り返すことで、脳にポジティブなメッセージが浸透して、信念や態度の変化が促されます。 最新の研究でも、ポジティブな言葉は脳の神経伝達物質やニューロンの連結に影響を与え、ポジティブな感情や信念を強化することが示唆されています。可能な限り、自分の部屋などで声に出して試してください。周りに人がいて言葉に出しにくいときは声に出さずに、頭の中で言葉を思い浮かべるだけでも効果があります。
アファメーションは思考を無理やりポジティブに切り替える方法ではありません。前向きな考え方によって現実をよい方向に変える思考法(ポジティブシンキング)でもありません。 たとえばネガティブな思考の人でも「自分は痩せている」「自分は痩せている」と繰り返し自分に言い聞かせると、それが視覚化したことと同じように脳に伝わり、脳内の神経経路の配線を少しずつつなぎ変えるのです。その結果、自己効力感が高まり、思考が変わります。