【ABC特集】「食べ物、水…何も足りてない」「毛布1枚で寝た」 道路寸断で十分な支援届かず 石川・輪島市の孤立した地域は今【能登半島沖地震】
1月1日に大きな地震に見舞われた能登半島では、住民の生活を支える道路が土砂崩れなどで寸断され、多くの地区が孤立状態になっています。石川県輪島市では6日時点で14の地区が孤立し、その一つにANNの取材班が入りました。
国道249号が寸断 住民らが手渡しで支援物資を搬送
大規模な火災があった通称「朝市通り」がある輪島市の中心部から5キロほど東にある大野町・鵠巣地区。地震で土砂が崩れて国道249号は完全にふさがり、数百人が孤立しています。地区の住人はぬかるむ土砂の合間を歩いたり、海沿いの堤防を迂回したりして、なんとか行き来しています。 (鵠巣地区から市街地に向かう男性) 「ここだけ陸の孤島や。車が通れへん。きょう(6日)初めてパンが届いた」 (Q.何か足りていないものは?) 「何も足りない。電気、ガス、水道、食べ物もない。農業の人が多いので、それを持ち寄っている。1週間くらいはもつかもしれんけど、あとは知らん」 (Q.これから寒くなるみたいですが?) 「そうなったら”まな板の上のコイ”や。どうにでもなれと」
住民は自衛隊員と協力して、手渡しで地区に物資を運んでいます。 (地区にある旅館『ねぶた温泉』副支配人・伊藤恵子さん) 「宿泊された方も残っていらっしゃるし、近所の方も避難してこられている。布団はあるから、寒さは凌げています。車を置いて歩いて市内に行って、家族に迎えに来てもらった人もいる。観光に来て楽しもうとしていた方々がかわいそうなので、少しでも楽に過ごしてもらいたいんですけど、限界があります。みなさんに協力いただいて、親戚が運んでくれたものを中に入れている状態です」 (避難所から市街地に向かう女性) 「やっときのう(5日)から自衛隊の方が入ってくださった。ここが通れないので、物資を運ぶために手渡しじゃないといけなくなっています。そのため、朝と昼、夕方に、みんなで運んでいる」 「電波もなく携帯も通じないので、厳しいですね」 「家からなんとかもって来れる人のストーブや毛布でしのいでいます。足りてはないです」 「水道が通っていないので、今いろいろご支援いただいている」