【ABC特集】「食べ物、水…何も足りてない」「毛布1枚で寝た」 道路寸断で十分な支援届かず 石川・輪島市の孤立した地域は今【能登半島沖地震】
物資が届き始めるも、地区全体に行き届くにはまだまだ足りず
ANNの取材班は6日、住民が行き来する迂回路を使って地区の中に入りました。 (記者)「道路の状態が市内の中心部に比べてひどいですね。大きくひび割れています。寸断されている影響もあるんでしょうか。かなり道路の状況が悪いですね」 道路は大きく波打ち、至る所に長く深い亀裂が入っていて、陥没して大きな穴が空いているところもあります。市街地では大きな段差は補修され始めているところもありますが、孤立した地域ではまだ手つかずで残っています。
土砂が崩れた場所から数百メートル国道沿いを歩くと、地区の避難所になっている小学校があります。取材をお願いしたところ、輪島市職員で避難所の責任者を務める村田直之さんが中を案内してくれました。 住民や自衛隊が手渡しで運んだ物資が体育館に集められ、避難している住民らがそれぞれの地区への仕分けをしていました。水や保存食、使い捨てカイロなどが集まっていましたが、数百人がいるという地区全体に行き届くにはまだまだ足りません。 地区一帯は停電と断水が続いていますが、トイレの前には水がたっぷりためられていて、とても清潔に保たれていました。避難している住民が自主的にためているそうで、私たちの取材中も、バケツに水を張った人たちが次々とやってきました。 (輪島市職員で避難所の責任者・村田直之さん)「トイレで流すための水を、(住民が)近くの川からくんで、(バケツに)入れてもらってます。本当に住民の輪というか、みなさんのお力添えで助かっています」
同じ集落の住人が集まり、教室で寝泊まりをしているという地区の住民に話を聞きました。 (地区の82歳女性) 「最初は支援物資がきませんでした。薄っぺらいカーテンを敷いて、毛布1枚かけて寝てたんです。そのあと布団もストーブもそれぞれの家から持ってきた。農家が多いから大根や白菜を持ち寄って、料理して食べているんです。ここは横のつながりが強いからね。掃除もみんなで分担してきれいにしている」 (Q.これまでも石川県は大きな地震がありましたが、ここまでの被害は?) 「こんなひどいの初めてやね。子どもたちの家も近くにあって『大丈夫やろか』と思うけど、情報がない」