武藤敬司の団体が活動休止 再編するプロレス界の行方は
武藤敬司が代表取締役会長を務めるプロレス団体「WRESTLE-1(レッスル・ワン)」(以下、W-1)が2月29日に無期限活動休止を発表した。4月1日の後楽園ホール大会が最後の興行となる。ちょうど1ヵ月前の1月29日にはIT大手サイバーエージェントによる「プロレスリング・ノア」(以下、ノア)の買収が発表されるなど、プロレス界は再編が続く。“新日本プロレス1強”といわれる時代にW-1休止はどう作用するか。
所属選手は今月末で退団 新たな活躍の場を探しに
W-1は2013年、全日本プロレスを退団した武藤敬司が設立。同じく全日プロを退団したカズ・ハヤシ、近藤修司、KAI、真田聖也(現=SANADA)、大和ヒロシらが参加した。また、15年には武藤を校長に数名の所属選手が講師となり、プロレスに関する技能を学べる「プロレス総合学院」も設立、木村花や才木玲佳といった女子のスター選手を輩出するなどしたが、同学院も無期限休校となるという。 所属選手たちは3月31日をもって退団となり、他に活動の場所を探すことになる。休止を発表した会見では武藤が、選手スタッフ一丸となって頑張ったが旗揚げ以来の赤字体質を脱却できず、活動休止を決断したと経緯を説明。約7年に渡る活動にピリオドを打つことになった。
ブシロードが女子団体スターダムを傘下に
プロレス界再編の動きとしては、昨年秋にも目立つ動きがあった。女子プロレス団体「スターダム」が事業譲渡により新日本プロレスを擁するブシロードグループ入りすることが発表され、ファンの間で大きな話題となったのだ。 「新日本プロレスと同系列の団体となったため、新日の選手とスターダムの選手が男女混合のミックスド・マッチを行ったりするのでは、と早合点したファンもいたようです。そのため、一部では『新日マットに女子を上げるな』『スターダムは世界観を守って欲しい』といった意見もネット上に躍ったのですが、実際には同じブシロード傘下でも別会社ですし、新日本がスターダムを買収したわけではありません。将来的にはどうなるかわかりませんが、双方のファンに対しイメージダウンになるような形、タイミングでの交流はしないでしょう」と指摘するのはスポーツ紙の40代男性記者。 今年1月4日の新日本の東京ドーム大会で、新日本の試合が始まる前に第0試合としてノーTVでスターダム提供試合が組まれたが、あくまでスターダムの選手たちによるスターダムの試合であり、ドームに集まったファンにスターダムの魅力をアピールすることに成功した。インターネット中継ではこの試合は配信されなかったため、一部ファンからは「せっかくやっているんならネットでも配信して欲しい」との声が出たほどだ。実際にリング上で両団体の選手が同じ試合を戦うといった、アメリカのWWEのような光景が現出する可能性はいまのところ低そうだが、同系列の団体となったことで1.4東京ドームのようなPR面での相乗効果は期待できそうだ。