【紀州のドン・ファン】元妻は野崎氏に覚醒剤を飲ませたのか、被告人質問で見えた早貴被告による反論の「綻び」
「あのコ、ウソをつけばつくほど追い詰められることになる…」 「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏と入籍して以来、早貴被告の世話を親身になってしていた野崎氏が経営する「アプリコ」の番頭“マコやん”は、殺人事件の裁判で早貴被告の尋問に注目していた。彼女への尋問は11月8、11、15日が予定されているが、初日となった8日の弁護側の質問に対し被告は、「社長(野崎氏)から『覚醒剤を買ってきてくれ』と頼まれたので買ってきた」と驚きの証言をした。 【写真】野崎氏が経営するアプリコの「番頭」だった“マコやん”(右)。その隣で野崎氏の愛犬イブを抱き上げて顔を隠している美脚の女性は早貴被告 長年、野崎氏の右腕として会社を切り盛りしてきた“マコやん”はこの言葉を聞いてすぐに「ウソだ」と断言したのだった。 ■ 捜査関係者以外でもっとも「真実」を知りうる4人 早貴被告の裁判は、11月11日に2回目の被告人質問が行われた。 午前中は前回と同じく弁護側が、そして午後からは検察側が質問した。 以前の記事でも触れているが、事件後に連日警察の事情聴取を受けていた早貴被告とお手伝いだった大下さん(仮名)は、聴取が終わった後に自宅に戻り、そこでマコやんとジャーナリストの吉田隆氏から、あらためて事件当日の状況や事情聴取の内容を繰り返し聞かれていた。 いわば、早貴被告、大下さん、マコやん、吉田氏の4人は、捜査関係者以外ではもっとも事件の真実を知りうる人物と言える。ただし、事件発生当時、現場である自宅にいた早貴被告と大下さんがウソを言っていなければ、だ。
■ なぜ事情聴取で覚醒剤購入の件を言わなかったのか 当時、野崎氏宅で開かれた連日の“事情聴取”の様子について、マコやんはこう語る。 「2人は嫌な顔もせず、1階のリビングに腰掛けてその日に警察から聞かれたことを喋っていました。そのときには社長が覚醒剤を使っていないことも早貴さんは認めていました。ただ、自分が(2018年)4月に売人から覚醒剤を購入したことはわれわれに対して全く喋っていませんでした。 今考えると、彼女は警察が売人のことまでたどり着けることはないと思っていたから黙っていたのでしょう。そうでなければ、『私、社長から覚醒剤を買ってくれと頼まれました』と、このときわれわれに言っても良かったハズです。 そして何よりも、社長が本当に覚醒剤が欲しいのなら、貸金業をしていて地元に人脈が多いのだから、その気になれば電話1本で調達することも可能だったはずです。田辺にやってきたばかりの早貴さんに頼む必要などあり得ないのです」 司法記者が言う。 「警察は今回出廷した売人の存在に早々に気付いていて、事件の半年後には逮捕していました。早貴被告がその事実を知ったのは、逮捕・起訴されて、公判前整理手続きが始まってからだったと思われます。 覚醒剤を買ったのか否か……どのように証言したらいいのか被告は悩んだことでしょう。全面的に否定したら、検察がどのような証拠を握っているのか分からないので、言い逃れできない証拠を突きつけられたら絶体絶命です。そこで覚醒剤を買った事実は認めたうえで『社長から買うように頼まれた』という筋書きを編み出したのではないでしょうか。 もちろん検察側もそのことはお見通しでしょう。11日午後の検察側質問で『事件直後の警察の事情聴取のときにそのことを言わなかったのはなぜですか?』とツッコまれてしまいました」(司法記者)