2年連続王者へ着々とポイント重ねる36号車
それでも「1ポイントでも持ち帰る」ことを目標に予選から最善を尽くす走りを披露。決勝も14番手スタートから坪井が順位を上げながらレース後半まで引っ張る戦略で周回を重ね、短めの後半スティントを担当した山下が、勝負をかけてさらにポジションアップ。コース上での直接バトルでは何度もストレートでライバルが先行するが、コーナー区間で逆転を狙うという粘り強いはしりをみせた。
特にNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zとの8番手争いでは、山下がセクター3で間合いを詰め、メインストレートでは相手のマシンの真横に入って“サイドスリップ”を使ってスピードを稼ぐという手法で有利な展開に持ち込んでいった。
こうした諦めない走りで最終的に7位を獲得。連覇に向けて貴重な4ポイントを手にした。
前回のSUGOでも、サクセスウェイトが82kgになって燃料リストリクター制限はMAXの3段階目に突入したが、予選日が雨だったことを味方につけて4番グリッドを獲得。決勝でも一時はトップを走る力強さを披露した。その後、路面が乾いてきてからはライバルの先行を許したが、粘り強くポジションを守って4位入賞。8ポイントを獲得してランキング首位を守った。
SUPER GTは独自のルールであるサクセスウェイトを積むことで不利になる点はあるが、その中でも中盤戦でどれだけ上位に食い込んでポイントを獲得できるか……そこにフォーカスして実行できているというのが、今の36号車の強さと言えるだろう。
「燃リスが入ってきた時の辛さは昨年散々味わってきているので、どういうふうになるかは想像ができています。そこから『どういうふうにしたら抜けるか、どうしたら前に出られるか』をいっぱい試して、対処法はわかっているつもりでいます。その経験が今年は活きているのかなと思います」
そう語るのは昨年36号車でチャンピオンを獲得した坪井。その経験があるからこそ、状況的に厳しくなる中盤戦でも、常に落ち着いてコメントしている姿が印象的だ。