「僕たちの方が勝利に…」久保建英“日本代表とひと味違う”スペインでの素顔と本音「ファンを煽り、強豪DFたちを翻弄」現地カメラマンは見た
久保の表情には充実感と徒労感が
そして84分、ついにソシエダに同点ゴールが生まれる。 相手のミスからパスを受けた新加入ルカ・スシッチが、ボックス外から虚をつくダイレクトシュートを選択。ここまでソシエダの猛攻をストップしてきていたオブラクの頭上を越えたボールは見事な軌道でゴールに突き刺さった。 待ちに待ったゴールに沸くスタジアム、残り時間はわずかだが追加点を目指すソシエダイレブンを後押しする。 最終盤、久保は2つのチャンスを創出している。ひとつは、自陣からのカウンター攻撃で、単騎アトレティコのボックス手前まで駆け上がった。アトレティコの両ウイングバックも体力の消耗が激しく、久保の動きにはついてこれない。目の前には3枚のCBのみ。相対したクレメン・ラングレをワンステップでかわしてシュートを放っている。ボールの勢いは十分だったが、最終盤での独走に体力がもたなかったか、ボールの抑えが利かず枠上に飛んでいってしまった。 最後は縦への突破から送ったクロスが、ゴール正面のブライスへ届いたが、放ったヘディングシュートは枠を捉えきれなかった。 そしてタイムアップの時を迎えた。 久保の表情には、心地よい疲労感、良いプレーをした充実感、それでも勝ちきれなかった徒労感、そんなないまぜになった多様な感情が浮かんでいるように感じられた。
日本代表戦後「まずはケガだけは気をつけて」
久保は、試合後の会見でそんな感情を素直に言葉にしている。 「今日は特に良いサッカーをしていた。ビルドアップにもパターンがあって攻撃も多彩だった」 「自分達のやったことを考えると、相手よりも僕たちが勝利にふさわしかったと思います」 「アトレティコ・マドリーにこのような試合ができれば、ここから上がっていけるのかなと思います」 その後日本代表に合流した久保はアウェイのサウジアラビア戦で途中出場、ホームのオーストラリア戦で先発出場した。ゴールに絡むことはできなかったが、オーストラリア戦後にはこのように話していたという。 「連戦が止まらない選手もいるので。僕も多分その1人で……ここから8、9試合あって、これがひとまず12月末までは続きます。まずはケガだけは気をつけて、しっかり監督と選手と話をしながら、体調に気をつけて、次までに、いいコンディションでまた入れればいいかなと思います」 代表ウィークでの中断が明け、次節はアウェイでのジローナ戦、そして過密日程を迎える。中断前のソシエダと日本代表でつかんだ手ごたえを、結果で示せるか――。
(「サッカー日本代表PRESS」中島大介 = 文)
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