資金調達の手法が過渡期、株高や利上げでCB脚光-発行1兆円超えも
東証、上場企業に資本効率・株価意識の経営対応要請へ-毎年成果開示
ただ、株式に転換された場合、株数の増加で1株当たりの利益が低下するため、CBを発行した企業の株価は希薄化懸念で上値が重くなりがちだ。1-3月にCBを発行した5社の株価は年初来で平均6.5%安と、TOPIXの15%高を大きく下回る。インフロニア・ホールディングスは発行を発表した3月21日からだと13%下落、福山通運は市場環境などを理由に発表したCBの発行を中止した。
とはいえ、日本では1-3月期に約4350億円のエクイティーリンク債が発行され、前年同期比で10倍以上に増加した。足元の動きはアジアの発行額が同68%減少したのと対照的だ。
三菱モルガンの花倉恒徳エクイティ・キャピタル・マーケット部長は、24年度のCB発行は前年度よりも活発になり、大台となる1兆円超えの「可能性もあるのではないか」とみている。
--取材協力:佐野七緒.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Yasutaka Tamura, Takahiko Hyuga