家電量販店5社、4~6月期は4社が2桁営業増益 猛暑でエアコン伸長
主要家電量販店の2025年3月期第1四半期(4~6月)連結決算は、早い時期からの全国的な猛暑もありエアコンなどの季節商品の販売が伸び、各社とも売り上げ、営業利益、経常利益が好調に推移した。ヤマダホールディングス(HD)やエディオンは主力の家電販売に加え、住宅やリフォームなど注力事業も貢献。ノジマも各事業領域を伸ばした。半面、上新電機はゲームや玩具が苦戦したほか、人件費や家賃・地代の増加が響き減収減益だった。 【関連表】家電量販店5社の4~6月期業績一覧 売り上げトップのヤマダHDは、営業利益を前年同期から3割伸ばし、143億円となった。家電販売などのデンキセグメントも季節家電が大きく伸び、エアコンやオーディオは2桁伸長した。情報家電では携帯電話とデジタルカメラが伸びた。 「くらしまるごと」戦略の強化で新業態店ライフセレクトの出店を推進するとともに、店舗の統廃合で効率化を図ったことも奏功した。 エディオンもエアコンを中心に家電販売が好調に推移。4~6月期では4期ぶりの増収で、同8.4%増の1745億円の売上高となった。収益認識を考慮すると直近10年で最高の売り上げとなった。訪日外国人によるインバウンドの売上高が都市型店舗を中心に急増し、前年同期比303%を記録。高級時計やカメラ、ゲームなどが購入された。 ケーズホールディングス(HD)はエアコンをはじめとする季節商品が順調で、北海道での伸びも顕著だった。営業利益は6割近く伸び、42億円で推移。携帯電話や掃除機、理美容・健康家電も堅調だった。売り上げ拡大に伴い粗利率も回復基調で、競争環境は激化していないとみる。 ノジマも営業利益を5割伸ばし、78億円に拡大。主力の家電店運営事業も、猛暑によりエアコンや冷蔵庫が好調に推移するとともに、新規出店も後押しした。 上新電機は減収減益だったものの、エアコンが2桁伸長したほか、携帯電話も大きく伸びた。各社が苦戦するテレビも前年同期を上回った。半面、ゲーム・模型・玩具・楽器が大幅に減少し全体業績を押し下げた。インターネット販売が減ったことも影響した。 非家電も伸長 家電以外の事業も堅調に推移した。ヤマダHDは、ここ数年進めてきた構造改革で住宅関連の住建セグメントが成果を上げつつあり増収、営業損失も大幅に改善した。バスやキッチンを開発製造するハウステックの収益が拡大したほか、ヤマダホームズやヒノキヤグループも増収で営業損失を減らした。エディオンはリフォーム事業が好調に推移し全体をけん引した。 ノジマはキャリアショップ運営事業でセキュリティー関連サービスやコンサルティングなどを強化し経常利益が黒字化したほか、ブロードバンドサービスを着実に伸ばした。 出退店は、ヤマダHDが新規出店6店(うちライフセレクト1店)。エディオンは新規出店が4店、退店は1店で、ケーズHDは新規出店2店、退店1店。ノジマは、デジタル家電専門店の新規出店が5店で2店を閉店、通信専門店1店が閉店した。
電波新聞社 報道本部