フランスの「抹茶ラテ」は日本とどう違う? あんこが苦手なフランス人の間で流行っている“和菓子”とは
日本の抹茶が海外のトレンドになってから、長い年月が経とうとしています。かつては「セレブの飲み物」というイメージが強かった抹茶ですが、現在ではその豊かな香りや健康効果が再評価され、街のカフェでも気軽に購入できるようになりました。 【写真を見る】あんこが苦手なフランス人が好きな「和菓子」 そんな抹茶ブームは、フランス・パリでも同じように起こっています。名前はそのまま「matcha」。パリの街角では、抹茶ラテを片手に歩く人々の姿が日常の光景となりつつあります。
◆健康志向から生まれた一大トレンド
パリのコーヒーショップでは今、「matcha latte(抹茶ラテ)」が当たり前のように並んでいます。少し前まではコーヒーや紅茶、ハーブティーが主流だったパリのカフェ文化ですが、現在では抹茶が定番ドリンクの1つとなりました。 この抹茶ブームが本格化したのは、コロナ禍以降のこと。健康志向が高まる中、抹茶に含まれる抗酸化作用やカテキン成分が注目され、「おしゃれで健康的な飲み物」としてフランス人の間で広く知られるようになったのです。抹茶は飲み物だけでなく、スイーツの世界でも人気を集めています。例えば抹茶のクレープやマカロン、エクレア、シュークリーム……。その人気は留まるところを知らず、フランスのWebマガジンや料理サイトでも、毎週のようにさまざまな「抹茶」レシピが掲載されるようになっています。
◆専門店の登場
さらに2024年には、パリの中心部に“抹茶カフェ”が登場しました。「MATCHA SOCIAL CLUB(マッチャ・ソシアル・クラブ)」という店名にあるように、抹茶をメインにした専門店です。 抹茶の専門店というと、お客さんも働いている人もアジア系をイメージしてしまいます。しかし実際の客層は、流行に敏感な20~30代の女性たち。人種に関係なく、温かいドリンクを求めて日々たくさんの人が集まっています。「MATCHA SOCIAL CLUB(マッチャ・ソシアル・クラブ)」で最も人気なのは、やはり抹茶ラテだそうです。ただ抹茶ラテはパリでも独自の進化を遂げていて、「日本文化の一部」というよりは、「美容と健康にいい新しい飲み物」として親しまれている印象を受けました。 そのためパリでは、日本人には想像もつかないようなアレンジや、フランス人の常識に合わせた「独特な」飲み方が受け入れられています。