2Q決算が本格化、個別物色で見逃したくない「相場のアヤ」
株式市場には、毎年ハロウィーンの時期から6カ月間は株価が上がりやすいというアノマリーがある。今年ははたして…(写真:AP/アフロ)
前回の本連載(10月22日配信) で「この10月第4週(23~27日)が転換点になるかもしれない」と書いたが、結局どうだったのか、まったくわからないままに通過してしまったようだ。日経平均株価は週間で267円(0.85%)安。24日に3万0551円、26日に3万0567円のザラバ安値まで売り込まれ、10月4日に記録した3万0526円(同日のザラバ安値は3万0487円)という下値のフシが鉄壁なのかを試すような動きだった。 とくに、24日の日足が450円近い幅で下ヒゲを引いたことで「いったんはアク抜けか」と期待させたものの、26日にはもういちど下押す始末。下方圧力の強さを印象づけた。 市場の“恐怖感”を示すとされる日経平均ボラティリティー・インデックスは26日に23.99と、2022年10月27日以来の水準まで上昇し、27日も22.59と高水準で“ガス抜き”は済まず。なお不穏な気配をはらんだままの状態が続いているとみていい。 10月4日安値を守り切れば、9月15日を天井とした調整相場が「二番底」を打ち、戻り相場への期待も芽生える。一方、ここを下抜けると「二段下げ」となり、当然ながら今度は3万円割れも意識されてくるだろう。 おいおい、10月に底を打って11月のハロウィーン明け相場、そこから年末高へという重要な季節に3万円割れかよ、と言いたくもなるが、相場は相場。ある意味、3万0500円前後のフシを振り切り、いったんはアク抜け感を出してしまったほうが、戻りを見据えた場合の相場的なリズムとしてはいいのかもしれない。 日経平均は今年の大発会終値の2万5716円から見ると、10月27日現在で20%以上の含み益を抱えた水準にある。仮に、3万円を割っても相場そのものが崩れるわけではないとは思うが、凡人の勝手な思い込みは禁物。株価推移を慎重に見守りたい。テクニカル指標の煮詰まりから見ると、ここで下放れ場面があれば、むしろ短期的には今度こそ買い場となるだろう。
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岩本 秀雄