ECB、複数の独銀行に商業不動産ローンの引当金積み増し要請へ
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)はドイツの複数の銀行に対して、商業用不動産(CRE)ローンの貸し倒れリスクに備え、引当金を積み増すよう近く要請する見通しだ。複数の関係者が明らかにした。
ドイチェ・ファンドブリーフバンク(PBB)や地銀の一角といったCREローン債権を大量に抱える銀行が重点対象の1つに挙がっているが、最終的にどの銀行が引当金の積み増しを求められるかは定かではないと、関係者は述べている。
ECBが進めている審査では、幅広い事業モデルを展開するドイツの銀行大手よりも、商業用不動産へのエクスポージャーが大きい銀行に焦点が当てられている。情報の部外秘を理由に匿名を条件に語った関係者によると、ECBは他国の銀行も審査しているが、ドイツの銀行が最も大きな影響を受けることになる見通しだ。
ECBの報道官、およびPBBの広報担当者はコメントを控えた。
ECBは向こう数カ月間に、銀行に対して引当金積み増しの要請を通知する予定だと、関係者は述べた。引当金の増加に伴い、今年の収益に影響が出る可能性が高いという。
ECBは約3年前、32行のCREエクスポージャーに関する審査を開始。その後、ドイツ、フランス、イタリア、キプロス、スロベニアなどの15行に対象を絞り込んだと、事情に詳しい関係者は語った。ECBは建設コストの増大、金利の上昇、一等地とそれ以外の地域にある物件の評価額の差など、さまざまな要因を考慮したという。
原題:ECB to Demand More CRE Loan Provisions From Some German Banks(抜粋)
--取材協力:Arno Schuetze.
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Nicholas Comfort