東京・江戸川橋地蔵通り商店街の野村幸枝さんが焼くチョココロネに絶えぬファンの聖地巡礼
現在、振興組合では約10人が活動。世代を超えて商店街を継承していくためには、商店街全体が束になって盛り上げる必要があると野村さんは考える。
■来たら楽しい場所
新型コロナウイルス禍でも大きく客足を減らすことはなかった地蔵通り商店街だが、「これからどうなるかは分からない」と野村さん。灯を絶やさぬため、振興組合は独自の取り組みを続けている。
平成22年から行っているのが、買い物の代行やお手伝いをする「地蔵の横丁便」だ。週約40~50件の利用がある。幅広い世代に知ってもらうため、地元の小学生たちに商店街を見学する機会も設けている。
定期的に開催されるイベントも街に花を添える。10月末の「ふるさとまつり」には毎年約5千人が来場。毎月第4日曜日に開かれるフリーマーケット「青空市」には出店希望が殺到するという。節分やハロウィーンのイベントには子供たちの歓声が響く。
「楽しいと思ってやらないと商売なんて長く続かない。そうじゃないと今ごろきっと廃業している」と語る野村さん。訪れる人にも、この商店街で喜んでもらいたいと願う。「『ここに来たら楽しい買い物ができるよ』ということを広く知ってもらえたらいいな」。店先に笑顔がはじけた。(宮崎秀太)