<センバツ2022・ともに咲く>広島商・支える人 マネジャーとトレーナーの7人 責任感と喜び感じて /広島
選手たちのトレーニングをサポートするのが、2年生の5人のマネジャーと2人のトレーナーだ。練習が行われる中区のグラウンドでは常に「一歩目を早く」「一球に集中しろ」と彼らの大声が飛び交う。荒谷忠勝監督が常々口にする「勝つための良い準備」を支える存在だ。 部員109人の大所帯のチームは、多い時には四つのグループに分かれて同時に別々の練習をする。グループごとにマネジャーが付き、良い内容で取り組めているか目を光らせ、時には注意をする。 練習を見守る荒谷監督が充実していないと感じた時、真っ先に雷を落とす先はマネジャーだ。「ちゃんとやらせんか」「考えて練習させろ」などと檄(げき)が飛ぶ。信本壮太さんは「監督が伝えたいことを理解し、それを選手たちにやらせるのが自分たちの役割。それだけの責任がある」と指摘を受け止め、毎日改善を模索する。 昨夏の新チーム発足時に新たにつくられた役割がトレーナー。準備運動の様子を見ながら選手のけがの状態を確認したり、ウエートトレーニングを正しいフォームで取り組めているかなどをチェックしたりする。週に1回外部から招いている専門のトレーナーと相談しながら、トレーニングのメニューや回数を決め、指示する。 仲西陽馬さんは元々は野手だったが、荒谷監督の勧めでトレーナーに転向した。選手を続けたい思いとの葛藤もあったが、今はたくさんの選手たちをサポートすることに喜びを感じている。仲西さんは「マネジャーやトレーナーが選手を辞めた分も選手たちには練習してほしいと思っている。冬に鍛え上げてきた成果を大舞台で見せつけてほしい」と期待を寄せる。【池田一生】