FRBが利上げする可能性まだある、米国債への弱気維持-PGIM
(ブルームバーグ): 債券トレーダーは米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を再燃させているが、PGIMフィクスト・インカムは、金融当局が実際には利上げの方向に傾く可能性がまだあるとみて、米国債への弱気を維持している。
1兆3400億ドル(約210兆円)相当を運用する同社は、米国債のアンダーウエートを堅持している。米金利がインフレ率を当局目標の2%まで低下させるのに十分に高くなったことを市場が過信していると考え、2年にわたりこの見方を維持してきた。
コアインフレ率が次の四半期も前月比0.3%上昇し続けるようなら「当局は緩和バイアスから利上げバイアスに移行せざるを得ないと思う」と、同社のグローバル債券責任者、ロバート・ティップ氏は語った。
債券トレーダーは12日、パウエルFRB議長が当局はギアチェンジを急がないというメッセージを堅持したにもかかわらず、利下げ観測を強めた。今週発表された米国のインフレデータが予想を下回ったことから、トレーダーは年末までに50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近い利下げを織り込み、FRBの更新後の見通しである25bpと乖離(かいり)している。
しかしティップス氏は「コンセンサスは、多くの利下げが実施され、米国債利回りが低下することを確信している」が、「この論調は6カ月以内に変わるはずだ」とインタビューで語った。
ティップス氏は10年物米国債利回りが年内に4.5%まで上昇すると予想。これは14日の水準より30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ほど高い。
「利下げペースは市場が予想するより遅いだろう」と言うティップス氏は、FRBは政策が「十分に景気抑制的」だと確信が持てないだろうとの見方を示し「実際のところ、インフレ率は平均して目標を上回っており、経済はまだ本当に強い」と指摘した。
原題:PGIM Sticks With Bearish Treasury Call on Bet Fed May Still Hike(抜粋)
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Tania Chen