【爆速ミニバンと小型SUVがやって来る】 中国BEVブランド「ジーカー」日本上陸か その名も「009」と「X」
奇抜なデザインで目を引く。これも先進性のアピールか
ジーカーはこれまでのどの中国メーカーとも異なる存在だ。まず目を引くのがその奇抜なデザインで、デザインセンターはボルボの本拠地でもあるスウェーデンのヨーテボリに構えている。 特に007やMIXで採用されている左右一体のディスプレイ型ヘッドライトはまさに「近未来のクルマ」といった印象で、設計したのは日本の「市光工業」だ。 また、インテリアはボルボ譲りの北欧的エッセンスと、中国の消費者が好むような先進性を上手く融合させた空間となる。この「先進性」は非常に説明が難しく、ここ1~2年のトップランナー的中国車を実際に体験した人しかわからない概念かもしれない。 簡単に言えば、ダッシュボードから浮き出た大型のセンターディスプレイ、細い横長のディスプレイに集約されたインストゥルメントパネル、そしてフレグランス機能など、伝統的なクルマを知らない新世代の中国人にウケる要素満載といったところだろうか。 日本へはまず「009」と「X」を投入する計画だ。 「009」は全長×全幅×全高が5209×2024×1848mm、ホイールベース3205mmの大型純電動ミニバンとなる。中国では容量108kWh、116kWh、140kWhの3種類のバッテリーを用意し、航続距離は702~900kmを誇る。 ただ、この航続距離は中国独自のCLTC方式となるため、実質的な数値はこの7~7.5掛け程度だろう。駆動方式は前輪駆動と四輪駆動を用意し、前者は340ps/421ps、後者は543ps/611ps/788psと選択肢は豊富だ。 フロントはメッキパネルを全面に押し出し、逆U字型のヘッドライトと合わせて奇抜な仕上がりとなる。全体的なシルエットは大型ミニバンにしては低めで、スポーティな雰囲気が感じられる。また、ジーカー特有のガラス細工のような左右一体型テールライトも美しい。
0-100km/h加速4.5秒の爆速ミニバン
シートは3列6名および7名構成、2列目は左右独立型のキャプテンシートを採用する。 高級ミニバンでは必須装備となったマッサージ機能は黒クロームメッキ仕上げのボタンで操作するタイプとなっており、むやみにタッチパネル式にしていないところに好感を覚えた。テーブルは旅客機にあるようなアームレストから展開する方式で、立て付けもしっかりとしている。 ほかにも驚かされたのは、スライドドア内側に内蔵されている小型のタッチパネルだ。左右のウィンドウに加えてガラスルーフのシェードが操作可能で、そのすぐ隣には時計やエアコンを操作できる簡易的な円形ディスプレイも装備する。 これまでにさまざまな中国メーカーのミニバンを体験したが、これはジーカー「009」独自の装備だ。車内オーディオには20個のスピーカーで構成されたヤマハ製のサウンドシステムを搭載し、極上の音質体験を創りだす。 エアサスペンションを搭載しているものの、乗り味は意外と硬めで、ここでもスポーティさに振っていると感じた。0-100km/h加速を4.5秒でおこなう加速性能が、果たして本当にミニバンに必要かは疑問だが、ドライバーズカーとしてはとても楽しい運転体験となった。 もちろん、後席に座ってくつろぐのにも広々としている空間なので、試乗する機会があったらどちらのポジションも体験するべきだろう。