「就職率は99.6%」…AIが支える短大生の就活 志望動機を提案・添削システムも導入へ
短期大学では、入学して1年もたたないうちに就職活動が始まります。しかし、そのタイミングでは、自分のやりたいことが見つかっていなかったり、自分に向いていることがわからなかったりすることも少なくありません。そこで富山短期大学では、短い期間で効率的に就活を進めるために、AIを導入した就活支援を行っています。短大ならではの就活の様子を聞きました。 【写真】コートのたたみ方やスーツの着こなし方といった授業も
富山短期大学の就職率は99.6%と高い数字です。この結果を支えるものの一つが、AIツールです。学生が自分に向いている職種を判断するための材料として導入しています。 同短大の経営情報学科2年の舟子結菜さんは、株式会社ホンダモビリティ中部への就職が内定しています。「もともと接客業につきたいという漠然とした思いがあった」という舟子さん。就職活動を行っていた1年生のときに、AIツールによる分析結果を知りました。 「私の場合、分析結果による適職の1位は一般事務、2位が接客業、3位が管理事務でした。接客業が入っていたので、自分の希望と適職がずれていないのだと自信になりました」 舟子さんが採用された職種は、「ストアコンシェルジュ」です。これは接客のほか、サービススタッフや営業スタッフのサポート業務なども行います。AIによる適職分析は、ストアコンシェルジュの仕事内容に見事、合致しているようです。 このAIツールは、経営情報学科でビジネス実務の授業を担当する森井泉(もりいずみ)仁教授が就活支援として導入を進めてきました。「AIツールによる適職結果は、便利に使える面もありますが、学生に先入観を与え、将来を制限してしまう可能性もあるため、いわば『診断テスト』のような感覚で、上手に取り入れていきたいと思っています。進路に迷っている学生に対するものなので、結果を本人に伝えるかどうかについても、一人ひとりの学生についてよく理解している各ゼミの担当教員に任せています」と話します。