ドジャース・大谷の父・徹さんも祝福「WS制覇おめでとう。最後まで出場できてよかった」
◇ワールドシリーズ第5戦 ドジャース7-6ヤンキース(2024年10月30日 ニューヨーク) 【SHO is the CHAMPION】大谷の世界一への道のりをさまざまな人物や角度から振り返る連載「SHO is the CHAMPION」。第1回は社会人の三菱重工横浜で野手としてプレーし、大谷が所属した少年野球チームで監督を務めた父・徹さん(62)が、祝福のメッセージを寄せた。(取材・構成=柳原 直之) 翔平、ワールドシリーズ制覇おめでとう。小さい頃から野球をやってきて、これだけ凄い選手が集まるメジャーリーグでプレーできるのは幸せなこと。第2戦で左肩を負傷してしまったが、最後まで出場できて本当に良かった。父としても本当にうれしく思う。 第1戦、第2戦を妻、娘、孫とともにドジャースタジアムで観戦させてもらった。満員の大観衆で、球場の外にもたくさんのファンの方々がいて驚き、シーズン中よりはるかに大きな歓声を浴びる姿は誇らしかった。特別な試合なので、四球一つでも凄く大切。ここまで来れば打つ、打たないは関係ないと感じていたと思う。 第2戦の7回。二盗を試みて左肩を負傷した場面を見ていた。遠くからなので最初はよく分からなかったが、中継映像で確認できた。手首や足のケガは多いが、肩の亜脱臼は珍しく、驚いた。 今でも子供たちを指導する時に伝えるが、翔平が野球を始めた頃も「ケガはスライディングする時に多いから気を付けるように」と伝えていた。今季を通して上手にこなしていたが、大事な試合で気負いがあったのかもしれない。第2戦後に帰国予定だったので、翔平のケガで少しブルーな気持ちになったが、たとえチームが強くても、ワールドシリーズに毎年出場できるわけではない。そこでプレーする翔平の姿を現地で見ることができて本当に良かった。ただ「観戦に来たよ」と送ったLINEは既読にすらなっていない。LINEの送り先が間違っていたのかもしれないな…。 ヤンキースは松井秀喜さんがMVPに輝いた09年以来、15年ぶりのワールドシリーズ進出だったが、当時、翔平は15歳。2人で野球の練習に取り組んでいた時期だが、当時は松井さんのような長距離打者ではないと思っていた。長嶋茂雄さん、王貞治さんといってもイメージが湧きづらいと思い、「イチローさんを目指しなさい」とよく伝えていた。打って、走って、二塁打を多く打つような打者が理想だった。ただ、実際、翔平がどう思っていたのかは分からない。特定の選手への憧れは感じたことがないように見えていた。 今後はまたケガしないように体に気を付けて頑張ってほしいという思いが一番。来年は日本での開幕戦、そして、投手復帰が待っている。どこまで、いつまでできるか分からないが、悔いのないように野球をやってほしい。頑張れ、翔平! ≪2日に優勝パレード≫ドジャースは11月1日(日本時間2日午前3時開始)にロサンゼルスで優勝パレードを行うと発表した。20年はコロナ下で開催しておらず、88年以来36年ぶりの優勝パレード。午前11時にロサンゼルス市役所前の「グロリア・モリーナ・グランド・パーク」をスタートする。また同日はWS直前の22日に死去した球団OBフェルナンド・バレンズエラさん(享年63)の誕生日に当たる。