安野モヨコが夫・庵野秀明のドキュメントを見たら「カメラの前でほとんど心を開かないままに終わったのでひっくり返った」。監督の<断固として>との姿勢を生き方の指針に
◆脳がフルスロットルで働いている 家で仕事中の監督はものすごい集中力で机に向かっていて 周りの空間が歪(ゆが)んで吸い込まれていくように見える。 自分の中にあるものに対しても限界まで出していこうとして 常に自分自身をぎゅうぎゅう絞っている。 それは本当に近寄り難いほどに厳しくて よく持つな、と思うほど長い時間続く。 そしてそれだけ脳と集中力を酷使した後は 棒みたいに体を投げ出して寝てしまう。 きっと脳がフルスロットルで働いているのだろう。 だからきっと番組内でも取り上げられていたように お昼にこっそりピザを食べたりポテチを食べることが必要なのだろう。 育毛の観点から髪の毛をしっかり乾かして寝るよう美容師さんから指導されたのに 濡れたまま寝てしまうのも 翌朝ベティちゃんのようなペッタリヘアになり 乾かして寝た、と言う嘘が即座にバレるのも 脳を使いすぎて日常生活で使う分が残ってないからなのだろう。 「ルマンドチョコ」を大量買いして棚の奥に隠したつもりで 私に発見されるのも 「モヨも食べるかなと思って買った」と弁明し だったらなぜ隠すんだ、と私に突っ込まれるのも きっと一生懸命仕事をしてるからなんだ、と思うことにしている。 ※本稿は、『還暦不行届』(祥伝社)の一部を再編集したものです。本文の体裁は書籍掲載時のままとなっています。
安野モヨコ
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