JAL A350-1000、25年度3機増で11機体制「パリや西海岸展開したい」
日本航空(JAL/JL、9201)の斎藤祐二副社長は11月1日、新たな国際線フラッグシップとして受領を進めているエアバスA350-1000型機について、2025年度は3機受領する方針を明らかにした。発注済み13機のうち6機を受領済みで、今年度は計画通り8機に達し、2025年度に11機体制となり、大半がそろう。パリや米西海岸などを軸に投入路線の検討を進める。 【写真】JAL A350-1000の個室ファーストクラスと個室ビジネスクラス JALは2004年に就航したボーイング777-300ERの後継機として、A350-1000を同数の13機発注済み。10月24日には初の欧州路線となる羽田-ロンドン線に就航し、今年1月のニューヨーク、4月のダラス・フォートワース線と3路線になった。ニューヨーク線は8月から週14往復(1日2往復)全便をA350-1000で運航するダブルデイリー化を果たし、ダラス線も8月からは週7往復(1日1往復)全便にA350-1000を投入している。ロンドン線は隔日運航でスタートした。 斎藤副社長はA350-1000について「非常に好評で欧州展開をお客様にお待ちいただいていた。年度内の受領は8号機までで、ロンドン線をデイリー化する。来期は3機受領する。欧州はパリ線、米国は西海岸にも展開してきたい」と語った。 新規投入路線の詳細は現在調整中。「年度計画が1月ごろに出ると思うので、そちらで詳細をお伝えしたい」(斎藤氏)と述べた。 A350-1000の座席数は4クラス239席で、ファーストが6席(1列1-1-1席)、ビジネスが54席(同1-2-1席)、プレミアムエコノミーが24席(同2-4-2席)、エコノミーが155席(同3-3-3席)。ファーストとビジネスはJAL初の個室タイプとなり、ファーストクラスは座席上のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)をすべてなくし、ビジネスクラスは窓側のみとすることで開放感のある客室に仕上げた。 ビジネスクラスはベッドの長さを従来より約10センチ長い最大約198センチ(78インチ)、幅は最大約56センチ(22インチ)とし、足もとまで広いフルフラットベッドに仕上げた。プレエコはクラス初の電動リクライニングシートを採用し、後ろの席に背もたれが倒れない「フィックスド・バック構造」や4K対応の16インチモニター、フットレストなどが特徴となっている。 また、1日にJALが発表した2024年4-9月期(25年3月期第2四半期)連結決算(IFRS)は、純利益が前年同期比19.1%減の498億7800万円。売上収益は2010年1月の経営破綻後では最高を記録し、航空・非航空事業とも前年同期を上回る9.9%増の9018億1700万円で、EBIT(財務・法人所得税前利益)は6.1%減の856億8700万円となった。 通期業績予想は据え置き。売上収益が前期(24年3月期)比16.8%増の1兆9300億円、EBITが17.1%増の1700億円、純利益は4.7%増の1000億円を見込む。年間配当予想は1株80円から変更はなく、中間配当は40円に決定した。
Tadayuki YOSHIKAWA